では、次に短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】13を見ていきます!!
短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】12はこちら↓
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】13
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集
【特許・実用新案】13
審決等に対する訴えに関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 特許無効審判において審決がされたときに、不服のある当事者は、付加期間が定められた場合を除き、当該審決の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り、審決に対する訴えを提起することができる
(ロ) 特許無効審判の確定審決に対する再審の審決に対する訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。
(ハ) 特許権に関する審決に対する訴えにおいては、裁判所は当事者が申し立てない理由についても審理することができる。
(ニ) 拒絶査定不服審判の請求は成り立たないとする審決の取消訴訟において、裁判所は、原告の請求に理由があるとして当該審決を取り消す場合、特許をすべき旨の判決をすることができる。
(ホ) 共有に係る特許権について、その特許を無効にすべき旨の審決がされたときは、共有者の1人は、単独で当該審決の取消訴訟を提起することができるが、その請求を認容する判決が確定した場合には、特許庁で共有者全員との関係で審判手続が行われる。question.pdf (jpo.go.jp)
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
誤っているものは、いくつあるか問題だね。
文章量が少ないからホッとするよね!
イ
(イ) 特許無効審判において審決がされたときに、不服のある当事者は、付加期間が定められた場合を除き、当該審決の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り、審決に対する訴えを提起することができる
審決取消訴訟の出訴期間のことだよね!!
★審決取消訴訟の出訴期間、178条3項
審決等の謄本送達日から30日以内
※行政事件訴訟法では6ヶ月だが、審決は対世的効力を有する特許権に関するものなので、30日以内となっている
※30日は不変期間(178条4項)=裁判所が職権で伸縮できない期間
※遠隔等の理由での附加期間はあり(178条5項)
★審決取消訴訟の主体、178条2項
当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者
(審決等に対する訴え)
第百七十八条 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
3 第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、提起することができない。
4 前項の期間は、不変期間とする。
5 審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。
6 審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。
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なので、答え○
(イ) 特許無効審判において審決がされたときに、不服のある当事者は、付加期間が定められた場合を除き、当該審決の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り、審決に対する訴えを提起することができる
答え○
理由:審決取消訴訟の出訴期間は審決等の謄本送達日から30日以内(178条3項)のため。また、遠隔等の理由での附加期間はあるため(178条5項)
ロ
(ロ) 特許無効審判の確定審決に対する再審の審決に対する訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。
被告適格のことだよね!!
早速復習してみましょう~179条です!
(被告適格)
第百七十九条 前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
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被告適格
①異議申立+査定系審判・・・特許庁長官(179条)
②当事者系審判・・・審判の請求人OR被請求人(179条但し書き)
※審判においても当事者対立構造を取るので審決取消訴訟でもそのまま
無効審判=当事者系審判なので、「審判の請求人OR被請求人」が被告となるはず(179条但し書き)
なので、「特許庁長官」の箇所が答え×
(ロ) 特許無効審判の確定審決に対する再審の審決に対する訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。
答え×
理由:「特許庁長官を被告」が×。正しくは、「再審の請求人OR被請求人」が被告となるはず(179条但し書き)
ハ
(ハ) 特許権に関する審決に対する訴えにおいては、裁判所は当事者が申し立てない理由についても審理することができる。
審決取消訴訟では、当事者が申し立てない理由は審理しないよね!
なので答え×
チェック
・審判・・・職権主義(150~153条)。例えば、拒絶査定不服審判では、職権で新たな拒絶理由とか通知だすのはアリだったよね。
・審決取消訴訟・・・審理範囲は審決の範囲に限定される。違法性を審理するのみ。審判のように職権で申し立てない理由を審理とかはなし(と思う)
(ハ) 特許権に関する審決に対する訴えにおいては、裁判所は当事者が申し立てない理由についても審理することができる。
答え×
理由:「当事者が申し立てない理由について」は審理できないため
ニ
(ニ) 拒絶査定不服審判の請求は成り立たないとする審決の取消訴訟において、裁判所は、原告の請求に理由があるとして当該審決を取り消す場合、特許をすべき旨の判決をすることができる。
裁判所でできるのは、審決を取り消すべき旨の判決をするだけだったよね!181条1項
なので答え×だよね
(審決又は決定の取消し)
第百八十一条 裁判所は、第百七十八条第一項の訴えの提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。
2 審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。
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判決の流れを復習!!
★訴えに理由なし・・・請求棄却判決
★訴えに理由あり・・・審決等を取り消す判決(181条1項)
判決確定後に、審判に差し戻され、審判官による再度審理→審決(181条2項)
※確定判決は審判官を拘束する(行訴法33条1項)
第三十三条 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する
行政事件訴訟法 | e-Gov法令検索
請求に理由アリの場合、審決が取り消される判決が出て(181条1項)、その後審判官による再度審理→審決(181条2項)の流れになります。
なので、「特許をすべき旨の判決」はすることはできないよね!(特許審決を出すのはあくまで審判官)
なので、答え×
(ニ) 拒絶査定不服審判の請求は成り立たないとする審決の取消訴訟において、裁判所は、原告の請求に理由があるとして当該審決を取り消す場合、特許をすべき旨の判決をすることができる。
答え×
理由:「特許をすべき旨の判決」はすることはできない。請求に理由アリの場合、審決が取り消される判決が出て(181条1項)、その後審判官による再度審理→審決(181条2項)の流れになる。
ホ
(ホ) 共有に係る特許権について、その特許を無効にすべき旨の審決がされたときは、共有者の1人は、単独で当該審決の取消訴訟を提起することができるが、その請求を認容する判決が確定した場合には、特許庁で共有者全員との関係で審判手続が行われる。
これは答え○だよね。
でも、判例が色々出てくるややこしいところだよね!
共有にかかる特許権についての審決取消訴訟は、①異議申立、②査定系、③当事者系で、単独OR共有どちらになるかややこしかったよね。
なので、復習します!
①異議申立・・・取消決定(特許つぶれる)に対して、特許権の各共有者は単独で決定取消訴訟を提起できると解されている。∵合一確定要請の観点から
②査定系審判・・・拒絶査定不服審判での拒絶審決(特許つぶれる)、訂正審判での棄却審決(特許つぶれる)に対して、特許権の各共有者は全員で審決取消訴訟を提起する必要あり。∵固有必要的共同訴訟と考えられているため
③当事者系審判・・・無効審判での無効審決(特許つぶれる)に対して、特許権の各共有者は単独で審決取消訴訟を提起できると解されている。
∵1保存行為の観点・・・出訴期間内に取消訴訟しないと、特許権は遡及消滅するため、消滅を防ぐ保存行為となるため単独提起可能
∵2具体的妥当性の観点・・・事情が変わり共有者の協力が得られない場合などもある
∵3合一確定要請の観点・・・請求認容判決が確定→特許庁で共有者全員との関係で審判手続き。棄却判決確定→特許権は遡及的に消滅するので、いずれの場合も合一確定要請に反しない
なので答え○
(ホ) 共有に係る特許権について、その特許を無効にすべき旨の審決がされたときは、共有者の1人は、単独で当該審決の取消訴訟を提起することができるが、その請求を認容する判決が確定した場合には、特許庁で共有者全員との関係で審判手続が行われる。
答え○
理由:無効審判での無効審決(特許つぶれる)に対して、特許権の各共有者は単独で審決取消訴訟を提起できると解されている。請求認容判決が確定→特許庁で共有者全員との関係で審判手続き。
まとめ(R05短答・特実13)
【特許・実用新案】13
審決等に対する訴えに関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 特許無効審判において審決がされたときに、不服のある当事者は、付加期間が定められた場合を除き、当該審決の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り、審決に対する訴えを提起することができる
(ロ) 特許無効審判の確定審決に対する再審の審決に対する訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。
(ハ) 特許権に関する審決に対する訴えにおいては、裁判所は当事者が申し立てない理由についても審理することができる。
(ニ) 拒絶査定不服審判の請求は成り立たないとする審決の取消訴訟において、裁判所は、原告の請求に理由があるとして当該審決を取り消す場合、特許をすべき旨の判決をすることができる。
(ホ) 共有に係る特許権について、その特許を無効にすべき旨の審決がされたときは、共有者の1人は、単独で当該審決の取消訴訟を提起することができるが、その請求を認容する判決が確定した場合には、特許庁で共有者全員との関係で審判手続が行われる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
答え3
理由:ロハニが×のため
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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