ついに意匠、最終問題!
弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】10ラストです^^
意匠9が気になる方はこちらへ^^
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】10
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【意匠】10
秘密意匠に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、意匠登録出願は、いかなる優先権の主張も伴わず、秘密意匠に係るものでも、分割又は変更に係るものでも、補正後の意匠についての新出願でも、冒認の出願でもなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされていないものとし、また、名義変更、秘密にする期間の変更は行わないものとし、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく特例を考慮しないものとする。さらに、意匠権は存続しているものとする。また、明記した以外の出願は、本意匠、関連意匠の出願ではない。
1 意匠登録出願人は、出願と同時でなければ、その出願に係る意匠を秘密にすることを請求できない。
2 本意匠の意匠登録出願について秘密にすることを請求したときは、同日になされた関連意匠の意匠登録出願についても秘密にすることを請求したものとみなされる。
3 意匠権の設定登録後は、秘密にすることを請求した期間を延長することを請求することはできない。
4 先の出願に係る意匠について秘密にすることを請求しているとき、当該出願が設定登録された後に発行される意匠公報の発行の日から秘密期間終了後に発行される意匠公報の発行の日前までに、当該出願に係る意匠の一部と類似の意匠について出願された後願は、同一出願人による出願であっても、意匠法第3条の2の規定により拒絶される。question.pdf (jpo.go.jp)
5 特許庁長官は、秘密にすることを請求した意匠に関する訴訟の参加人から請求があった場合、意匠権者の承諾を得られなければ、その意匠を当該参加人に示すことができない
やっぱり出るね、秘密意匠!
秘密意匠は出題頻度★★★
1
1 意匠登録出願人は、出願と同時でなければ、その出願に係る意匠を秘密にすることを請求できない。
わーー、これはサービス問題。分かる!
素晴らしいです!答えは??
答え×!
だって、秘密意匠の請求のタイミングは2回あったはずだもん^^
はい、正解です。
それでは条文も確認しましょう!
秘密意匠の手続きは意匠法14条2項です。
(秘密意匠)
第十四条
2 前項の規定による請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面を意匠登録出願と同時に、又は第四十二条第一項の規定による第一年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
一 意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 秘密にすることを請求する期間
意匠法 | e-Gov法令検索
秘密請求の手続きは、
①出願と同時
②第1年分の登録料納付と同時
の2回できるタイミングがあるんだったね^^
従来は、①出願と同時のみだったけど、意外に審査が早く終わっちゃって意匠が公報に載っちゃいそう・・・え?早過ぎね??ヤバイ・・・という出願人側の事情を考慮して、H18改正で、②第1年分の登録料納付と同時にもできるようにしてくれたんですよね^^
ここまで覚えていたら完璧ですね^^
ということで、答え×
1 意匠登録出願人は、出願と同時でなければ、その出願に係る意匠を秘密にすることを請求できない。
答え×
理由:第1年分の登録料納付と同時も請求可能のため(∵14条2項)。
2
2 本意匠の意匠登録出願について秘密にすることを請求したときは、同日になされた関連意匠の意匠登録出願についても秘密にすることを請求したものとみなされる。
こんな条文あったっけ?ない!?ないよね??
はい、特にないと思われます。
本意匠だけ~とか、関連意匠だけ~とかで秘密意匠請求できるはずですので
じゃあ、×だね!
秘密意匠の対象は、登録意匠ですので(∵14条1項)、例えば、本意匠だけ秘密意匠とする(意味があることかどうかはわかりませんが)というのは可能なはず。
なので、同日出願だったら関連も秘密請求したとみなされる・・・ような規定はありませんので、答え×です。
2 本意匠の意匠登録出願について秘密にすることを請求したときは、同日になされた関連意匠の意匠登録出願についても秘密にすることを請求したものとみなされる。
答え×
理由:そのような規定なし
3
3 意匠権の設定登録後は、秘密にすることを請求した期間を延長することを請求することはできない。
わ!これもサービス問題じゃない!?たしか延長はできるよね^^
はい、できます。
根拠条文を早速見てみましょう!
根拠条文は、意匠法14条3項ですね^^
(秘密意匠)
第十四条
3 意匠登録出願人又は意匠権者は、第一項の規定により秘密にすることを請求した期間を延長し又は短縮することを請求することができる。
意匠法 | e-Gov法令検索
秘密にすることができる期間は、意匠権の設定登録の日から3年(∵14条1項)
それで、その3年の期間内であれば、もちろん3年を超えたらNGだけど、超えない範囲で、延長や短縮可能なのです(∵14条3項)
条文で主体が、「出願人」だけでなく「意匠権者は」ってなっていることからも明確に、意匠権の設定登録後も延長できることが分かるよね!
3 意匠権の設定登録後は、秘密にすることを請求した期間を延長することを請求することはできない。
答え×
理由:3年の期間内であれば、延長可能(∵14条3項)
4
4 先の出願に係る意匠について秘密にすることを請求しているとき、当該出願が設定登録された後に発行される意匠公報の発行の日から秘密期間終了後に発行される意匠公報の発行の日前までに、当該出願に係る意匠の一部と類似の意匠について出願された後願は、同一出願人による出願であっても、意匠法第3条の2の規定により拒絶される。
これはちょっと難しくなってきた・・・どうだっけ??
意匠法の3条の2ただし書きのとこですね^^
第三条の二 意匠登録出願に係る意匠が、当該意匠登録出願の日前の他の意匠登録出願であつて当該意匠登録出願後に第二十条第三項又は第六十六条第三項の規定により意匠公報に掲載されたもの(以下この条において「先の意匠登録出願」という。)の願書の記載及び願書に添付した図面、写真、ひな形又は見本に現された意匠の一部と同一又は類似であるときは、その意匠については、前条第一項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。ただし、当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であつて、第二十条第三項の規定により先の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条第四項の規定により同条第三項第四号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前に当該意匠登録出願があつたときは、この限りでない。
意匠法 | e-Gov法令検索
ということで、先願が秘密意匠の場合は、1回目の公報発行の日前に後願を出願しないと3条の2適用されちゃって、拒絶されちゃいますよね。
これは、秘密意匠は最長3年も秘密にできるんだから、2回目の公報発行日前まで待つと、3年ほど3条の2が適用されない状態を作り出すことができるため、かなり不公平だよね・・・
なので、答え○。
4 先の出願に係る意匠について秘密にすることを請求しているとき、当該出願が設定登録された後に発行される意匠公報の発行の日から秘密期間終了後に発行される意匠公報の発行の日前までに、当該出願に係る意匠の一部と類似の意匠について出願された後願は、同一出願人による出願であっても、意匠法第3条の2の規定により拒絶される。
答え○
理由:先願=秘密意匠の場合、1回目(形式的な公報の方)の公報発行の日前に後願を出願しないと3条の2適用されて、拒絶される(∵3条の2ただし書き)
5
5 特許庁長官は、秘密にすることを請求した意匠に関する訴訟の参加人から請求があった場合、意匠権者の承諾を得られなければ、その意匠を当該参加人に示すことができない
わ~~これもサービス問題!!
答えは分かりますか?
答えは×だと思うけど。条文通りだし!
はい、正解です!
秘密期間中は、原則、閲覧禁止!ですが、例外があったんですよね^^
早速条文で確認しましょう!
(秘密意匠)
第十四条
4 特許庁長官は、次の各号の一に該当するときは、第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠を意匠権者以外の者に示さなければならない。
一 意匠権者の承諾を得たとき。
二 その意匠又はその意匠と同一若しくは類似の意匠に関する審査、審判、再審又は訴訟の当事者又は参加人から請求があつたとき。
三 裁判所から請求があつたとき。
四 利害関係人が意匠権者の氏名又は名称及び登録番号を記載した書面その他経済産業省令で定める書面を特許庁長官に提出して請求したとき。
意匠法 | e-Gov法令検索
本来、秘密意匠なので、秘密期間中は閲覧禁止となるはずなのですが、ある一定の場合のみ例外を認めて、閲覧可能となっているんですね。この14条4項に4つの例外が規定されています。
そして、設問の訴訟の参加人からの請求は2号に該当して、意匠権者の承諾がなくとも例外として閲覧できるようになるんですね。なので、答え×となります。
5 特許庁長官は、秘密にすることを請求した意匠に関する訴訟の参加人から請求があった場合、意匠権者の承諾を得られなければ、その意匠を当該参加人に示すことができない
答え×
理由:訴訟の参加人からの請求は14条4項2号に該当して、意匠権者の承諾がなくとも例外として閲覧できるため(14条4項2号)
まとめ(R05短答・意匠10)
【意匠】10
秘密意匠に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、意匠登録出願は、いかなる優先権の主張も伴わず、秘密意匠に係るものでも、分割又は変更に係るものでも、補正後の意匠についての新出願でも、冒認の出願でもなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされていないものとし、また、名義変更、秘密にする期間の変更は行わないものとし、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく特例を考慮しないものとする。さらに、意匠権は存続しているものとする。また、明記した以外の出願は、本意匠、関連意匠の出願ではない。
1 意匠登録出願人は、出願と同時でなければ、その出願に係る意匠を秘密にすることを請求できない。
2 本意匠の意匠登録出願について秘密にすることを請求したときは、同日になされた関連意匠の意匠登録出願についても秘密にすることを請求したものとみなされる。
3 意匠権の設定登録後は、秘密にすることを請求した期間を延長することを請求することはできない。
4 先の出願に係る意匠について秘密にすることを請求しているとき、当該出願が設定登録された後に発行される意匠公報の発行の日から秘密期間終了後に発行される意匠公報の発行の日前までに、当該出願に係る意匠の一部と類似の意匠について出願された後願は、同一出願人による出願であっても、意匠法第3条の2の規定により拒絶される。
5 特許庁長官は、秘密にすることを請求した意匠に関する訴訟の参加人から請求があった場合、意匠権者の承諾を得られなければ、その意匠を当該参加人に示すことができない
答え:4
理由:4のみ○。それ以外×
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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