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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【商標】3
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【商標】3
商標法上の商標(商標法第2条第1項に規定する商標)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 業として商品を加工する者がその商品について使用をする文字からなる標章は、商標法上の商標とは認められない。
2 色彩のみからなる標章は、2以上の色彩を組み合わせてなるものである場合に限り、商標法上の商標として認められる。
3 立体的形状からなる標章は、その立体的形状が「商品等表示」として不正競争防止法上の保護を受け得るものでなければ、商標法上の商標とは認められない。
4 色彩のみからなり、当該色彩及びそれを付する位置を特定した標章は、商標法上の商標として認められる。question.pdf (jpo.go.jp)
5 音と時間の経過に伴って変化する文字との結合は、商標法上の商標として認められる
1
1 業として商品を加工する者がその商品について使用をする文字からなる標章は、商標法上の商標とは認められない。
また2条1項の定義に関する問題だね!!
これ簡単簡単~~~~。×でしょ!
だって、フツーにありそうだし。
はい、その通りです。
早速条文を確認しましょう!
(定義等)
第二条 この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。
一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの
二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)
商標法 | e-Gov法令検索
まず、商標とは、2条1項で定義されているように、標章(≒マーク)をその商品等に使用=商標と定義されています。
で、この標章(≒マーク)は、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもので構成されているということになります。
なので、設問では、「文字」からなる標章で、それを業として使用しているので、法上の商標となるので、答え×となります。
1 業として商品を加工する者がその商品について使用をする文字からなる標章は、商標法上の商標とは認められない。
答え×
理由:文字からなる標章を業としてその商品に使用=商標となるため(∵2条1項+1号)
2
2 色彩のみからなる標章は、2以上の色彩を組み合わせてなるものである場合に限り、商標法上の商標として認められる。
えー、これはどうだろ・・・
○じゃない??
単色って認められるの難しそう・・・(感覚で)
色彩のみで、しかも単色となれば、識別力とかなくって認められ無さそう・・・てのは感覚的に分かります!
が、実はこれは×なのです。
商標法上には「色彩のみからなる商標」という表現はあるのですが、それが単色なのか、2色以上なのかは特に記載なしなのです。なので、どうなの?って問題が出てくるのですが・・・
まあでも規定されていないってことは、商標法上は単色でもOKと考えるのが妥当なのかと思います。
あと、審査基準も見てみたところ、「単色」からなる色彩商標の例が載っておりました(赤1色)。ということは、単色でもやっぱりOKってことだよね(実務的には識別力が無く難しいのかもしれないけど)。
ということで、答え×
2 色彩のみからなる標章は、2以上の色彩を組み合わせてなるものである場合に限り、商標法上の商標として認められる。
答え×
理由:商標法上は単色でもOK(と思われる。∵審査基準に単色の色彩商標の例あり)
3
3 立体的形状からなる標章は、その立体的形状が「商品等表示」として不正競争防止法上の保護を受け得るものでなければ、商標法上の商標とは認められない。
これも×っぽい。
商標は不正競争との保護の問題とは別だもん!
はい、私もそう思います。
わざわざそういった規定が商標法上にあるわけでもないし。
自然に考えると、×ですよね!
根拠条文はちょっと分からず・・・ごめんなさい、そういった規定なしってことが根拠となるでしょうか。
3 立体的形状からなる標章は、その立体的形状が「商品等表示」として不正競争防止法上の保護を受け得るものでなければ、商標法上の商標とは認められない。
答え×
理由:商標法上にそういった規定なし
4
4 色彩のみからなり、当該色彩及びそれを付する位置を特定した標章は、商標法上の商標として認められる。
うーん、ちょっと分からないけど、感覚的には○かなあ・・・
でも決め手にかける・・・
はい、○です。
これも審査基準に記載ありなんです・・・ちょっとマニアックかな・・・
審査基準には、包丁の柄の部分を赤色に塗って位置も特定した例が載っているよね。
ちょっとマニアックな気もするけど、これが○です。
4 色彩のみからなり、当該色彩及びそれを付する位置を特定した標章は、商標法上の商標として認められる。
答え○
理由:審査基準に例あり
5
5 音と時間の経過に伴って変化する文字との結合は、商標法上の商標として認められる
音+文字変化ってことは、動画みたいなものをイメージしてるんだよね。
動画って商標の対象になるのかな??
動画は商標の対象となりません。
なので、答え×です。
参考に新しいタイプの商標の保護制度に関するQ&Aを確認しました。
そこに「Q1-10 動画のような、音と文字や図形等の動きの組合せも保護対象となりますか?」と質問があり、特許庁の答えは、
「今回の法改正では、音と文字や図形等を組み合わせた商標については、保護対象とはしていません。今後、このような商標の保護の在り方については、国際的な動向や我が国企業等のニーズを踏まえて検討する予定です。」
とのことです。
なので、動画については、まだ商標法上の商標ということではない、ということになりますね^^
5 音と時間の経過に伴って変化する文字との結合は、商標法上の商標として認められる
答え×
理由:そのような規定なし。動画はまだ商標法上の商標ということではない(∵審査基準)
まとめ(R05短答・商標3)
【商標】3
商標法上の商標(商標法第2条第1項に規定する商標)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 業として商品を加工する者がその商品について使用をする文字からなる標章は、商標法上の商標とは認められない。
2 色彩のみからなる標章は、2以上の色彩を組み合わせてなるものである場合に限り、商標法上の商標として認められる。
3 立体的形状からなる標章は、その立体的形状が「商品等表示」として不正競争防止法上の保護を受け得るものでなければ、商標法上の商標とは認められない。
4 色彩のみからなり、当該色彩及びそれを付する位置を特定した標章は、商標法上の商標として認められる。
5 音と時間の経過に伴って変化する文字との結合は、商標法上の商標として認められる
答え:4
理由:4のみ○。その他×
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