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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【商標】7
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【商標】7
商標法第4条第1項に規定する不登録事由等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 商標登録出願に係る商標が、当該出願の時に、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであっても、日本国内における需要者の間に広く認識されていない限り、商標登録を受けることができる。
2 他人の登録防護標章と同一の商標であって、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務に類似する指定商品又は指定役務について使用をするものについては、商標登録を受けることができる場合はない。
3 位置商標(構成要素として立体的形状又は色彩を含むものを除く。)が、商標法第3条第2項の規定により、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる商標と認められた場合、商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標(商標法第4条第1項第 18 号)に該当するときはない。
4 商標登録出願に係る商標が、当該出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と外観、称呼、観念のいずれかにおいて類似する場合、商標登録を受けることができるときはない。question.pdf (jpo.go.jp)
5 商標登録がされた後において、その登録商標が商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標になっていても、商標権の設定登録の日から5年を経過した後は、当該商標登録について、商標登録の無効の審判の請求をすることができない。
1
1 商標登録出願に係る商標が、当該出願の時に、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであっても、日本国内における需要者の間に広く認識されていない限り、商標登録を受けることができる。
これは外国の周知商標が出てくる4条1項19号っぽいよね・・・
はい、そうです!
早速条文を確認しましょう!
(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十九 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)
商標法 | e-Gov法令検索
商標法4条1項19号をざっくりまとめると・・・
設問では、最後「日本国内における需要者の間に広く認識されていない限り、商標登録を受けることができる。」と記載があるが、日本国内で周知でなくとも外国で周知の商標を保護する目的の規定なので、「日本国内における需要者の間に広く認識されていなくとも、商標登録を受けることができない。」となる。(と思う)
1 商標登録出願に係る商標が、当該出願の時に、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであっても、日本国内における需要者の間に広く認識されていない限り、商標登録を受けることができる。
答え×
理由:最後「日本国内における需要者の間に広く認識されていない限り、商標登録を受けることができる。」と記載があるが、日本国内で周知でなくとも外国で周知の商標を保護する目的の規定なので、「日本国内における需要者の間に広く認識されていなくとも、商標登録を受けることができない。」が正しい(と思う)(∵4条1項19号)
2
2 他人の登録防護標章と同一の商標であって、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務に類似する指定商品又は指定役務について使用をするものについては、商標登録を受けることができる場合はない。
登録防護標章は、ええっと・・・条文みてみるね・・・4条1項12号だ!
はい、そうですね。
条文の確認、大事です!
防護標章は、商標も同一、指定商品等も同一なんだね!
類似範囲までは及ばないから×だよね!
はい、素晴らしいです!
早速条文を確認しましょう!
(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十二 他人の登録防護標章(防護標章登録を受けている標章をいう。以下同じ。)と同一の商標であつて、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務について使用をするもの
商標法 | e-Gov法令検索
まず防護標章についてざっくり知りたいよね!
- 防護標章制度
- 登録商標が使用により著名になると、非類似の範囲まで出所混同が生じることがある。が、通常は、非類似の範囲には商標権の効力が及ばないため、その範囲を防護標章で保護しようというもの。
- というような背景があるため、4条1項12号では、同一範囲(商標も同一、指定商品等も同一)に限定。類似は関係なし。
- 設問では、類似する指定商品等となっているため、4条1項12号適用なし
- なので、「商標登録を受けることができる場合がない」が×
- 正しくは、「商標登録を受けることができる場合もある」(と思う)
- 例えば、類似する指定商品でも、出所混同が起きない場合・・・とか
2 他人の登録防護標章と同一の商標であって、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務に類似する指定商品又は指定役務について使用をするものについては、商標登録を受けることができる場合はない。
答え×
理由:4条1項12号では、同一範囲(商標も同一、指定商品等も同一)に限定。類似は関係なし。「商標登録を受けることができる場合がない」が×
3
3 位置商標(構成要素として立体的形状又は色彩を含むものを除く。)が、商標法第3条第2項の規定により、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる商標と認められた場合、商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標(商標法第4条第1項第 18 号)に該当するときはない。
これは×なんじゃない?
3条で識別力あり→4条で不登録事由なしが審査の流れなんだし、
該当する場合もあるんじゃない?
はい、私もそう思いました。
まんまと引っかかりました(涙)
・・・・が、答え○なのです!
まず条文を確認しましょう!
(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十八 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。第二十六条第一項第五号において同じ。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標
商標法 | e-Gov法令検索
4条1項18号の趣旨を見てみましょう!
- 4条1項18号の趣旨
- 例えば、パラボナアンテナは、その機能を発揮するために必ずあの形状にならないといけない。が、その形状を立体的商標として登録されちゃうと、個人に半永久的に独占権を持たれることになってしまう(他の人めっちゃ困る!)
- そういった場合に、拒絶できるように18号が存在する。
そっか。
確かに絶対その形じゃないとダメなものを登録されちゃうと困るよね・・・
そう!
4条1項18号は、立体的形状とかを想定して作られているのです。
ポイントは、どの商標が対象かというのが、政令に記載されているのですが・・・
何が政令に記載されているの?
じゃじゃーん、これです↓
商標法施行令
27_4-1-18.pdf (jpo.go.jp)
第一条 商標法第四条第一項第十八号及び第二十六条第一項第五号の政令で定める特
徴は、立体的形状、色彩又は音(役務にあつては、役務の提供の用に供する物の立体
的形状、色彩又は音)とする。
4条1項18号が適用される対象は、立体的形状、色彩又は音、3つだけなのです!
ということで、位置商標については、4条1項18号が適用されることはないので、
答え○になるんです!
ええ~(涙)難問・・・
3 位置商標(構成要素として立体的形状又は色彩を含むものを除く。)が、商標法第3条第2項の規定により、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる商標と認められた場合、商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標(商標法第4条第1項第 18 号)に該当するときはない。
答え○
理由:4条1項18号が適用されるのは、商標法施行令により、立体的形状、色彩又は音、3つだけ。位置商標については、4条1項18号が適用されることはないため。
4
4 商標登録出願に係る商標が、当該出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と外観、称呼、観念のいずれかにおいて類似する場合、商標登録を受けることができるときはない。
重要度★★★の4条1項11号だね!!
はい、4条1項11号に関する問題ですね。
早速条文を確認しましょう!
(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十一 当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
商標法 | e-Gov法令検索
4条1項11号は、出所混同を防止する規定。
特許でいう先願のような規定。
設問では、「外観、称呼、観念のいずれかにおいて類似する場合、商標登録を受けることができるときはない。」と記載されていましたが、外観、称呼、観念のどれか類似していても、取引実情を考慮すれば出所混同が生じないなら、商標登録を受けることはできるよね!(∵氷山印事件)
他にも、指定商品等が非類似であっても、商標登録を受けることはできるよね!(∵4条1項11号)
ということで、答え×
4 商標登録出願に係る商標が、当該出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と外観、称呼、観念のいずれかにおいて類似する場合、商標登録を受けることができるときはない。
答え×
理由:外観、称呼、観念のどれか類似していても、取引実情を考慮すれば出所混同が生じないなら、商標登録を受けることはできるため(∵氷山印事件)
指定商品等が非類似であっても、商標登録を受けることはできるため(∵4条1項11号)
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5 商標登録がされた後において、その登録商標が商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標になっていても、商標権の設定登録の日から5年を経過した後は、当該商標登録について、商標登録の無効の審判の請求をすることができない。
除斥期間のことだよね!
はい、そうです。
通常、登録日から5年、無効審判を請求されることなく経過した場合は、無効審判が請求できなくなります。
しかし、公益的理由については、除斥期間経過後も無効審判の請求が認められています。
(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十六 商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標
第四十七条 商標登録が第三条、第四条第一項第八号若しくは第十一号から第十四号まで若しくは第八条第一項、第二項若しくは第五項の規定に違反してされたとき、商標登録が第四条第一項第十号若しくは第十七号の規定に違反してされたとき(不正競争の目的で商標登録を受けた場合を除く。)、商標登録が同項第十五号の規定に違反してされたとき(不正の目的で商標登録を受けた場合を除く。)又は商標登録が第四十六条第一項第四号に該当するときは、その商標登録についての同項の審判は、商標権の設定の登録の日から五年を経過した後は、請求することができない。
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4条1項8号、10号~15号、17号・・・除斥期間あり(登録日から5年で無効審判が請求できなくなる)
上記各号以外(公益的理由)+4条1項10号、17号については、不正競争の目的で登録を受けた場合、4条1項15号について、不正目的で登録を受けた場合・・・除斥期間なし
品質誤認の16号も、公益的見地の色合い強く、除斥期間の適用なしですね(∵47条)。
なので、無効審判請求できますので、答え×
5 商標登録がされた後において、その登録商標が商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標になっていても、商標権の設定登録の日から5年を経過した後は、当該商標登録について、商標登録の無効の審判の請求をすることができない。
答え×
理由:品質誤認の4条1項16号は、公益的見地の色合い強く、除斥期間の適用なし=無効審判請求できる(∵47条)
まとめ(R05短答・商標7)
【商標】7
商標法第4条第1項に規定する不登録事由等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 商標登録出願に係る商標が、当該出願の時に、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであっても、日本国内における需要者の間に広く認識されていない限り、商標登録を受けることができる。
2 他人の登録防護標章と同一の商標であって、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務に類似する指定商品又は指定役務について使用をするものについては、商標登録を受けることができる場合はない。
3 位置商標(構成要素として立体的形状又は色彩を含むものを除く。)が、商標法第3条第2項の規定により、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる商標と認められた場合、商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標(商標法第4条第1項第 18 号)に該当するときはない。
4 商標登録出願に係る商標が、当該出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と外観、称呼、観念のいずれかにおいて類似する場合、商標登録を受けることができるときはない。
5 商標登録がされた後において、その登録商標が商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標になっていても、商標権の設定登録の日から5年を経過した後は、当該商標登録について、商標登録の無効の審判の請求をすることができない。
答え:3
理由:3のみ○。その他×
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