弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作権・不正競争】3に行きます^^
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作/不正】3
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【著作権法・不正競争防止法】3
著作権法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 著作権侵害の停止又は予防に必要な措置として、ライブバーにおいて侵害行為に供されたピアノの撤去を認める場合、裁判所は、当該ピアノが現実に専ら侵害の行為に供されたことを認定しなければならない。
2 侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等(いわゆるリーチサイト)の公衆への提示を対象とした罪については、告訴がなくても公訴を提起することができる。
3 日本の著作権の存続期間中に国外で著作権者に無断で複製された映画の DVD を、著作権の存続期間が満了した後に国内で販売するために輸入した日本の業者の行為は、著作権侵害とみなされる。
4 著作物である詩をその著作者の許諾なく公表した場合、その公表より前に当該詩の翻訳物がその詩の著作者の許諾を得て広く公表されていたとしても、その詩の著作者の有する公表権の侵害となる。question.pdf (jpo.go.jp)
5 著作権を侵害して複製された写真集を購入し、業として輸出する場合、その写真集が著作権を侵害する物であることを知らなければ、その輸出行為は著作権侵害とはみなされない
著作権に関する出題、3問目だね!
これは侵害の場面だね!
1
1 著作権侵害の停止又は予防に必要な措置として、ライブバーにおいて侵害行為に供されたピアノの撤去を認める場合、裁判所は、当該ピアノが現実に専ら侵害の行為に供されたことを認定しなければならない。
著作権の権利侵害に関する出題だね!
苦手苦手~
そうだね!
まずは、侵害時の民事上の救済手段は4つあったけど、覚えてますか?
①損害賠償請求
②差止請求
③不当利得返還請求
④名誉回復措置請求
だよね!
特許とかでも同じだったよね!!
そうそう!
設問は、ピアノの撤去なので「差止請求」の場合のことを聞いているみたいだね!
著作権法上の差止請求権は112条↓
(差止請求権)
第百十二条 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。
著作権法 | e-Gov法令検索
差止請求は、侵害のおそれがある場合に、侵害の予防まで請求できる権利だったよね!
2項には付帯請求権の規定もありますよね!
ということで、ピアノの撤去は、侵害の行為に供されたことを認定しなくとも、可能(と思う)
ということで、答え×
1 著作権侵害の停止又は予防に必要な措置として、ライブバーにおいて侵害行為に供されたピアノの撤去を認める場合、裁判所は、当該ピアノが現実に専ら侵害の行為に供されたことを認定しなければならない。
答え×
理由:差止請求は、侵害のおそれがある場合に、侵害の予防まで請求できる権利(∵112条1項)+2項の付帯請求権
2
2 侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等(いわゆるリーチサイト)の公衆への提示を対象とした罪については、告訴がなくても公訴を提起することができる。
リーチサイト・・・
違法リンクとか貼っているサイトのことだったよね??
そうそう。
大きな問題があって、R2に著作権の法改正がされたんだったよね!
そうだった!
リーチサイトが、親告罪か非親告罪かってことだけど・・・
まずは、リーチサイトが侵害である根拠条文は、113条2項。
改正で追加された条文です。
(侵害とみなす行為)
第百十三条
2 送信元識別符号又は送信元識別符号以外の符号その他の情報であつてその提供が送信元識別符号の提供と同一若しくは類似の効果を有するもの(以下この項及び次項において「送信元識別符号等」という。)の提供により侵害著作物等(著作権(第二十八条に規定する権利(翻訳以外の方法により創作された二次的著作物に係るものに限る。)を除く。以下この項及び次項において同じ。)、出版権又は著作隣接権を侵害して送信可能化が行われた著作物等をいい、国外で行われる送信可能化であつて国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきものが行われた著作物等を含む。以下この項及び次項において同じ。)の他人による利用を容易にする行為(同項において「侵害著作物等利用容易化」という。)であつて、第一号に掲げるウェブサイト等(同項及び第百十九条第二項第四号において「侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等」という。)において又は第二号に掲げるプログラム(次項及び同条第二項第五号において「侵害著作物等利用容易化プログラム」という。)を用いて行うものは、当該行為に係る著作物等が侵害著作物等であることを知つていた場合又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合には、当該侵害著作物等に係る著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 次に掲げるウェブサイト等
イ 当該ウェブサイト等において、侵害著作物等に係る送信元識別符号等(以下この条及び第百十九条第二項において「侵害送信元識別符号等」という。)の利用を促す文言が表示されていること、侵害送信元識別符号等が強調されていることその他の当該ウェブサイト等における侵害送信元識別符号等の提供の態様に照らし、公衆を侵害著作物等に殊更に誘導するものであると認められるウェブサイト等
ロ イに掲げるもののほか、当該ウェブサイト等において提供されている侵害送信元識別符号等の数、当該数が当該ウェブサイト等において提供されている送信元識別符号等の総数に占める割合、当該侵害送信元識別符号等の利用に資する分類又は整理の状況その他の当該ウェブサイト等における侵害送信元識別符号等の提供の状況に照らし、主として公衆による侵害著作物等の利用のために用いられるものであると認められるウェブサイト等
二 次に掲げるプログラム
イ 当該プログラムによる送信元識別符号等の提供に際し、侵害送信元識別符号等の利用を促す文言が表示されていること、侵害送信元識別符号等が強調されていることその他の当該プログラムによる侵害送信元識別符号等の提供の態様に照らし、公衆を侵害著作物等に殊更に誘導するものであると認められるプログラム
ロ イに掲げるもののほか、当該プログラムにより提供されている侵害送信元識別符号等の数、当該数が当該プログラムにより提供されている送信元識別符号等の総数に占める割合、当該侵害送信元識別符号等の利用に資する分類又は整理の状況その他の当該プログラムによる侵害送信元識別符号等の提供の状況に照らし、主として公衆による侵害著作物等の利用のために用いられるものであると認められるプログラム
第百二十条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
三 第百十三条第二項の規定により著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
第百二十三条 第百十九条第一項から第三項まで、第百二十条の二第三号から第六号まで、第百二十一条の二及び前条第一項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
著作権法 | e-Gov法令検索
リーチサイトに違反した場合は、刑事罰の対象になって、しかも親告罪なんだね!!
ということで答え×
2 侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等(いわゆるリーチサイト)の公衆への提示を対象とした罪については、告訴がなくても公訴を提起することができる。
答え×
理由:リーチサイトに違反した場合は、親告罪のため(∵123条1項)
3
3 日本の著作権の存続期間中に国外で著作権者に無断で複製された映画の DVD を、著作権の存続期間が満了した後に国内で販売するために輸入した日本の業者の行為は、著作権侵害とみなされる。
ええ・・・難しい・・・
権利存続中に無断で複製=著作権侵害だと思うけど、権利満了後に輸入だって・・・
え?めちゃくちゃ難しくない?
これかな・・・?自信なし。
(侵害とみなす行為)
第百十三条 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
二 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
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輸入の時において国内で作成したとしたなら著作権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
ということは、輸入の時には権利満了しているのだから、侵害とみなされない(と思う)ので、答え×
3 日本の著作権の存続期間中に国外で著作権者に無断で複製された映画の DVD を、著作権の存続期間が満了した後に国内で販売するために輸入した日本の業者の行為は、著作権侵害とみなされる。
答え×
理由:輸入の時には権利満了しているのだから、侵害とみなされない(と思う。自信なし)(∵113条1項1号)
4
4 著作物である詩をその著作者の許諾なく公表した場合、その公表より前に当該詩の翻訳物がその詩の著作者の許諾を得て広く公表されていたとしても、その詩の著作者の有する公表権の侵害となる。
ええーー・・・コレもむずい・・・
難しいですよね!?
いやホント分からない・・・
まず「公表権」について!
これは著作人格権の3つの権利のうちの1つでしたよね!
譲渡や相続できない方の権利!!
著作人格権??
そうだそうだ!
①公表権
②氏名表示権
③同一性保持権
だったよね!
そうそう、それの「公表権」
条文ではこうなっています!
第二款 著作者人格権
(公表権)
第十八条 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。
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公表権は、「公表前の著作物」についての規定だったよね!!
そして、翻訳物のような二次的著作物についても同様なんだね!
ということで、設問には、翻訳物(=二次的著作物)については既に許諾を得て公表されている状態と書かれている(=公表前の著作物ではない)ので、公表権の侵害とならないよね(多分・・・)
4 著作物である詩をその著作者の許諾なく公表した場合、その公表より前に当該詩の翻訳物がその詩の著作者の許諾を得て広く公表されていたとしても、その詩の著作者の有する公表権の侵害となる。
答え×
理由:翻訳物(=二次的著作物)については既に許諾を得て公表されている状態と書かれている(=公表前の著作物ではない)ので、公表権の侵害とならない(と思う)(∵18条1項)
5
5 著作権を侵害して複製された写真集を購入し、業として輸出する場合、その写真集が著作権を侵害する物であることを知らなければ、その輸出行為は著作権侵害とはみなされない
著作権分かんないから、ますます苦手になっちゃったよ・・・
難しいですよね。
私も苦手。
条文で確認してみましょう!
(侵害とみなす行為)
第百十三条 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
二 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
著作権法 | e-Gov法令検索
著作権法113条1項2号により、「知りながらの輸出行為」は侵害とみなされるが、設問では、「知らない」と記載されているので、その場合は侵害とみなされない(と思う)
なので、答え○
5 著作権を侵害して複製された写真集を購入し、業として輸出する場合、その写真集が著作権を侵害する物であることを知らなければ、その輸出行為は著作権侵害とはみなされない
答え○
理由:著作権法113条1項2号により、「知りながらの輸出行為」は侵害とみなされるが、設問では、「知らない」と記載されているので、その場合は侵害とみなされない(と思う)
まとめ(R05短答・著作/不正3)
【著作権法・不正競争防止法】3
著作権法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 著作権侵害の停止又は予防に必要な措置として、ライブバーにおいて侵害行為に供されたピアノの撤去を認める場合、裁判所は、当該ピアノが現実に専ら侵害の行為に供されたことを認定しなければならない。
2 侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等(いわゆるリーチサイト)の公衆への提示を対象とした罪については、告訴がなくても公訴を提起することができる。
3 日本の著作権の存続期間中に国外で著作権者に無断で複製された映画の DVD を、著作権の存続期間が満了した後に国内で販売するために輸入した日本の業者の行為は、著作権侵害とみなされる。
4 著作物である詩をその著作者の許諾なく公表した場合、その公表より前に当該詩の翻訳物がその詩の著作者の許諾を得て広く公表されていたとしても、その詩の著作者の有する公表権の侵害となる。
5 著作権を侵害して複製された写真集を購入し、業として輸出する場合、その写真集が著作権を侵害する物であることを知らなければ、その輸出行為は著作権侵害とはみなされない
答え:5
理由:5が一番正しいため。その他×のため。
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