ついに最後だ!!
弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作権・不正競争】10に行きます^^
最後だ!
やったやった。
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作/不正】10
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【著作権法・不正競争防止法】10
不正競争防止法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 甲は、競争関係のある乙の営業上の信用を低下させるために、乙が製品の安全性に関する数値の偽装を行なっているという虚偽ではない事実を、乙の取引先各社の担当役員に対して言いふらした。この場合、甲の当該行為は、信用毀損に係る不正競争に該当する。
2 甲の周知商品等表示を使用した乙の商品の輸出により、輸出先である外国において商品の混同が生じている場合に、当該乙の輸出行為を不正競争として差し止めるためには、甲の商品等表示に係る国内における周知性の立証も必要である。
3 甲は、地上デジタル放送に付された 1 回だけ録画可能とするコピープロテクションを回避することのみを可能とするプログラムを作成した。甲が、そのプログラムを記録した USB メモリを無料で少数の親しい友人のみに譲渡したにすぎない場合は、甲の譲渡行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
4 人工知能を利用した製品の製造・販売をしている甲は、大量の視聴覚作品を人工知能に機械学習させるため、映画作品の DVD に施されているコピープロテクションを解除した。この場合、甲の解除行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。question.pdf (jpo.go.jp)
5 一般消費者である甲は、乙が日本産うなぎであると広告して販売している商品であるうなぎの蒲焼を購入したが、当該商品には外国産のうなぎが使用されていた。当該広告の内容を信じて当該商品を購入した甲は、乙の行為は原産地・品質誤認惹起に係る不正競争に該当するとして不正競争防止法に基づく損害賠償を請求できる
1
1 甲は、競争関係のある乙の営業上の信用を低下させるために、乙が製品の安全性に関する数値の偽装を行なっているという虚偽ではない事実を、乙の取引先各社の担当役員に対して言いふらした。この場合、甲の当該行為は、信用毀損に係る不正競争に該当する。
え?これ○なんじゃないの!?
だって信用毀損行為やん!
最初私もそう思ったのですが・・・
よーく読んで下さい!
「虚偽ではない事実」と記載ありです。
あ、ほんとだ。
読み飛ばしていた。
虚偽の事実だと勘違いしてたよ!
ということで、信用毀損行為に該当せず、
答え×となると思います。
条文を確認してみましょう!
(定義)
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
二十一 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
条文で見るとおり、信用毀損行為の要件は、
●競争関係にある
●他人の
●営業上の信用を害する
●虚偽の事実
●告知し、又は流布
だね!
この要件の中の
●虚偽の事実
が、設問では「虚偽ではない事実」となっているから、答え×になるんだね!
はい、そうです。
1 甲は、競争関係のある乙の営業上の信用を低下させるために、乙が製品の安全性に関する数値の偽装を行なっているという虚偽ではない事実を、乙の取引先各社の担当役員に対して言いふらした。この場合、甲の当該行為は、信用毀損に係る不正競争に該当する。
答え×
理由:「虚偽ではない事実」のため、信用毀損行為に該当せず(∵2条1項21号)
2
2 甲の周知商品等表示を使用した乙の商品の輸出により、輸出先である外国において商品の混同が生じている場合に、当該乙の輸出行為を不正競争として差し止めるためには、甲の商品等表示に係る国内における周知性の立証も必要である。
周知性がどこで必要かってことだよね・・・
輸出先だけでOKなのか?
国内でも必要なのか?
わからん・・・
実は私も分かりませんでした・・・
判例を探してみたところ、判例がありました。
判例ベースの出題だったようです。
↑詳細知りたい方はこちらから
めちゃくちゃざっくりとは、あるガス点火器が輸出先のサウジアラビアで周知となっていたんだけれど、国内では周知ではなったみたい。でも、輸出行為なので、国内での周知性は不要という判断で不正競争に基づき差止とかになったみたい(正確に知りたい方は判例をお読み下さい)
へえ・・・知らなかった。
ということなので、国内における周知性の立証は不要ということで、答え×となります
2 甲の周知商品等表示を使用した乙の商品の輸出により、輸出先である外国において商品の混同が生じている場合に、当該乙の輸出行為を不正競争として差し止めるためには、甲の商品等表示に係る国内における周知性の立証も必要である。
答え×
理由:輸出行為なので、国内における周知性の立証は不要(判例からの出題。SPARK-S事件(大阪地裁H12.8.29))
3
3 甲は、地上デジタル放送に付された 1 回だけ録画可能とするコピープロテクションを回避することのみを可能とするプログラムを作成した。甲が、そのプログラムを記録した USB メモリを無料で少数の親しい友人のみに譲渡したにすぎない場合は、甲の譲渡行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
「無料で少数の親しい友人のみに譲渡」が怪しいよね・・・
この場合どうなるんだろう・・・
コピープロテクトを解除しちゃったりするので、条文では17、18号あたりだよね!
ああ・・・あのあたり。
長くてよく分からないんだよね・・・
17号は、典型例、コピープロテクトを解除するプログラムソフトとかだったよね!
18号は、確か、有料のケーブルTVとかの暗号を解除する装置とかだったよね!
ということは、今回は17号の方なんだね!
はい。そうですね。
早速条文を確認してみましょう!
(定義)
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
十七 営業上用いられている技術的制限手段(他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)に記録されたものに限る。以下この号、次号及び第八項において同じ。)の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録をさせないために用いているものを除く。)により制限されている影像若しくは音の視聴、プログラムの実行若しくは情報の処理又は影像、音、プログラムその他の情報の記録(以下この号において「影像の視聴等」という。)を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置(当該装置を組み込んだ機器及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)、当該機能を有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)若しくは指令符号(電子計算機に対する指令であって、当該指令のみによって一の結果を得ることができるものをいう。次号において同じ。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、若しくは当該機能を有するプログラム若しくは指令符号を電気通信回線を通じて提供する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。)又は影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする役務を提供する行為
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
譲渡の際に、「無料」だとか、「特定の少数だった」とか、そういった条件の記載はないよね。
ということで、答え×と思う
3 甲は、地上デジタル放送に付された 1 回だけ録画可能とするコピープロテクションを回避することのみを可能とするプログラムを作成した。甲が、そのプログラムを記録した USB メモリを無料で少数の親しい友人のみに譲渡したにすぎない場合は、甲の譲渡行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
答え×
理由:譲渡の際に、「無料」だとか、「特定の少数だった」とか、そういった条件の記載はないため、不正競争に該当すると思われるため(∵2条1項17号)
4
4 人工知能を利用した製品の製造・販売をしている甲は、大量の視聴覚作品を人工知能に機械学習させるため、映画作品の DVD に施されているコピープロテクションを解除した。この場合、甲の解除行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
これもコピープロテクトを解除。
でも目的が違うよね!
そうだね。
AI学習のため、だね。
そういった場合の例外規定があったよね?
覚えているかな?
19条1項9号だね!
(適用除外等)
第十九条 第三条から第十五条まで、第二十一条(第二項第七号に係る部分を除く。)及び第二十二条の規定は、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない。
九 第二条第一項第十七号及び第十八号に掲げる不正競争 技術的制限手段の試験又は研究のために用いられる同項第十七号及び第十八号に規定する装置、これらの号に規定するプログラム若しくは指令符号を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、若しくは当該プログラム若しくは指令符号を電気通信回線を通じて提供する行為又は技術的制限手段の試験又は研究のために行われるこれらの号に規定する役務を提供する行為
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
AI学習は、研究のためということになるので、適用除外。
なので、不正競争には当たらず、答え○
4 人工知能を利用した製品の製造・販売をしている甲は、大量の視聴覚作品を人工知能に機械学習させるため、映画作品の DVD に施されているコピープロテクションを解除した。この場合、甲の解除行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
答え○
理由:AI学習は、研究のためということになるので、適用除外となり、不正競争には当たらないため(∵19条1項9号)
5
5 一般消費者である甲は、乙が日本産うなぎであると広告して販売している商品であるうなぎの蒲焼を購入したが、当該商品には外国産のうなぎが使用されていた。当該広告の内容を信じて当該商品を購入した甲は、乙の行為は原産地・品質誤認惹起に係る不正競争に該当するとして不正競争防止法に基づく損害賠償を請求できる
え?もちろん損害賠償を請求できるんじゃないの??
いえ、できないのです。
ポイントは主体が「一般消費者」であることです。
条文を確認してみましょう!
(損害賠償)
第四条 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、第十五条の規定により同条に規定する権利が消滅した後にその営業秘密又は限定提供データを使用する行為によって生じた損害については、この限りでない。
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
例えば、スーパーとかの事業者であれば、「営業上の利益を侵害」されるので、損害賠償を請求できますよね。
でも、甲は、一般消費者なので、「営業上の利益を侵害」されないですよね。
なので、損害賠償の請求の主体にはならないのです
5 一般消費者である甲は、乙が日本産うなぎであると広告して販売している商品であるうなぎの蒲焼を購入したが、当該商品には外国産のうなぎが使用されていた。当該広告の内容を信じて当該商品を購入した甲は、乙の行為は原産地・品質誤認惹起に係る不正競争に該当するとして不正競争防止法に基づく損害賠償を請求できる
答え○
理由:甲は、一般消費者なので、「営業上の利益を侵害」されないため、損害賠償の請求の主体にはならない(∵4条)
まとめ(R05短答・著作/不正10)
【著作権法・不正競争防止法】10
不正競争防止法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 甲は、競争関係のある乙の営業上の信用を低下させるために、乙が製品の安全性に関する数値の偽装を行なっているという虚偽ではない事実を、乙の取引先各社の担当役員に対して言いふらした。この場合、甲の当該行為は、信用毀損に係る不正競争に該当する。
2 甲の周知商品等表示を使用した乙の商品の輸出により、輸出先である外国において商品の混同が生じている場合に、当該乙の輸出行為を不正競争として差し止めるためには、甲の商品等表示に係る国内における周知性の立証も必要である。
3 甲は、地上デジタル放送に付された 1 回だけ録画可能とするコピープロテクションを回避することのみを可能とするプログラムを作成した。甲が、そのプログラムを記録した USB メモリを無料で少数の親しい友人のみに譲渡したにすぎない場合は、甲の譲渡行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
4 人工知能を利用した製品の製造・販売をしている甲は、大量の視聴覚作品を人工知能に機械学習させるため、映画作品の DVD に施されているコピープロテクションを解除した。この場合、甲の解除行為は、技術的制限手段に係る不正競争に該当しない。
5 一般消費者である甲は、乙が日本産うなぎであると広告して販売している商品であるうなぎの蒲焼を購入したが、当該商品には外国産のうなぎが使用されていた。当該広告の内容を信じて当該商品を購入した甲は、乙の行為は原産地・品質誤認惹起に係る不正競争に該当するとして不正競争防止法に基づく損害賠償を請求できる
答え:4
理由:4のみ○。それ以外×
わーい。
これにて、令和5年度終了!!
道のり、長かったね・・・
次どうする?
令和4年度にさかのぼる?
それとも、来年度のやつを待つ!?
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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