では、次に短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】4を見ていきます!!
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】4
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集
【特許・実用新案】4
特許無効審判における審理に関し、次のうち、正しいものは、どれか。1 証拠調べに際し、審判官は、当事者に対して文書の提出を命ずることができ、当事者が文書提出命令に従わないときは、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
2 証拠調べは、双方の当事者が口頭審理の期日に出頭せず、出頭したものともみなされない場合には、することができない
3 被請求人側から答弁書の提出がなされず、口頭審理の期日にも出頭がなく、出頭したものともみなされなかった場合には、請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる。
4 顕著な事実については証明が不要であるから、審判官は証拠調べをすることなく当該事実を基礎とする審決をすることができる
5 審判の係属中、当事者又は参加人のいずれにも該当しない利害関係人の特許庁長官に対する申立てにより、証拠保全をすることができる。
question.pdf (jpo.go.jp)
今までもっと長い設問だったから、ちょっと短く感じるよね!?
1つずつ見ていきましょう^^
枝1
1 証拠調べに際し、審判官は、当事者に対して文書の提出を命ずることができ、当事者が文書提出命令に従わないときは、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
文書提出命令 民訴法223条、これは特許法151条で準用しております!!
(文書提出命令等)
第二百二十三条 裁判所は、文書提出命令の申立てを理由があると認めるときは、決定で、文書の所持者に対し、その提出を命ずる。この場合において、文書に取り調べる必要がないと認める部分又は提出の義務があると認めることができない部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。
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第百五十一条 第百四十五条第六項及び第七項並びに第百四十七条並びに民事訴訟法第九十三条第一項(期日の指定)、第九十四条(期日の呼出し)、第百七十九条から第百八十一条まで、第百八十三条から第百八十六条まで、第百八十八条、第百九十条、第百九十一条、第百九十五条から第百九十八条まで、第百九十九条第一項、第二百一条から第二百四条まで、第二百六条、第二百七条、第二百十条から第二百十三条まで、第二百十四条第一項から第三項まで、第二百十五条から第二百二十二条まで、第二百二十三条第一項から第六項まで、第二百二十六条から第二百二十八条まで、第二百二十九条第一項から第三項まで、第二百三十一条、第二百三十二条第一項、第二百三十三条、第二百三十四条、第二百三十六条から第二百三十八条まで、第二百四十条から第二百四十二条まで(証拠)及び第二百七十八条(尋問等に代わる書面の提出)の規定は、前条の規定による証拠調べ又は証拠保全に準用する。この場合において、同法第百七十九条中「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実」とあるのは「顕著な事実」と、同法第二百四条及び第二百十五条の三中「最高裁判所規則」とあるのは「経済産業省令」と読み替えるものとする。
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しかし、特許法151条では、民訴法224条を不準用!!
文章や検証物の提出を拒否した場合であっても、相手方の主張が真実とみなされることはない
(当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果)
第二百二十四条 当事者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
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だいたい審判は職権主義なんだし、勝手にこんなんされたら困るよね・・・
1 証拠調べに際し、審判官は、当事者に対して文書の提出を命ずることができ、当事者が文書提出命令に従わないときは、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
答え×
理由:文章や検証物の提出を拒否した場合であっても、相手方の主張が真実とみなされることはない(特許法151条では、民訴法224条を不準用!!)
枝2
2 証拠調べは、双方の当事者が口頭審理の期日に出頭せず、出頭したものともみなされない場合には、することができない
審判官は、当事者の主張のみに拘束されず、職権で証拠調べ等できるんだったね(∵150条)
理由は、ざっくり、特許権が対世的効力があるからだったよね!!
(証拠調及び証拠保全)
第百五十条 審判に関しては、当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができる。
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特許権が対世的効力があるから、職権進行主義!!(152条)なんだよね!!
(職権による審理)
第百五十二条 審判長は、当事者又は参加人が法定若しくは指定の期間内に手続をせず、又は第百四十五条第三項の規定により定めるところに従つて出頭しないときであつても、審判手続を進行することができる。
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なので、「 証拠調べは、双方の当事者が口頭審理の期日に出頭せず、出頭したものともみなされない場合」でも、職権で審判手続きを進行させることができる(∵152条)!
なので、答え×
2 証拠調べは、双方の当事者が口頭審理の期日に出頭せず、出頭したものともみなされない場合には、することができない
答え×
理由:職権で審判手続きを進行させることができる(∵152条)!
枝3
3 被請求人側から答弁書の提出がなされず、口頭審理の期日にも出頭がなく、出頭したものともみなされなかった場合には、請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる。
後半部分「請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる。」が×(∵152条)認めたものとはみなされずに、職権で審判手続きが進行するんだったね!!
文章や検証物の提出を拒否した場合であっても、相手方の主張が真実とみなされることはない(特許法151条では、民訴法224条を不準用!!)だったね!なので、やはり、後半部分「請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる。」がおかしいよね!!
3 被請求人側から答弁書の提出がなされず、口頭審理の期日にも出頭がなく、出頭したものともみなされなかった場合には、請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる。
答え×
理由:「請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる」が×のため。その場合、職権で審判手続きを進行させることができる(∵152条)!
枝4
4 顕著な事実については証明が不要であるから、審判官は証拠調べをすることなく当該事実を基礎とする審決をすることができる
「顕著な事実」!!
これはなんか1~3の枝問で見た151条で準用されてそうな感じだね!!
第百五十一条 第百四十五条第六項及び第七項並びに第百四十七条並びに民事訴訟法第九十三条第一項(期日の指定)、第九十四条(期日の呼出し)、第百七十九条から第百八十一条まで、第百八十三条から第百八十六条まで、第百八十八条、第百九十条、第百九十一条、第百九十五条から第百九十八条まで、第百九十九条第一項、第二百一条から第二百四条まで、第二百六条、第二百七条、第二百十条から第二百十三条まで、第二百十四条第一項から第三項まで、第二百十五条から第二百二十二条まで、第二百二十三条第一項から第六項まで、第二百二十六条から第二百二十八条まで、第二百二十九条第一項から第三項まで、第二百三十一条、第二百三十二条第一項、第二百三十三条、第二百三十四条、第二百三十六条から第二百三十八条まで、第二百四十条から第二百四十二条まで(証拠)及び第二百七十八条(尋問等に代わる書面の提出)の規定は、前条の規定による証拠調べ又は証拠保全に準用する。この場合において、同法第百七十九条中「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実」とあるのは「顕著な事実」と、同法第二百四条及び第二百十五条の三中「最高裁判所規則」とあるのは「経済産業省令」と読み替えるものとする。
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顕著な事実!!
よく読むと最後の方に書いているよね!
民訴法179条で読み替えているので、民訴法179条を確認します!!
(証明することを要しない事実)
第百七十九条 裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。
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顕著な事実は証明することを要しない!!んだね!なので、答え○
4 顕著な事実については証明が不要であるから、審判官は証拠調べをすることなく当該事実を基礎とする審決をすることができる
答え○
理由:主張事実については、本来証明を要するが、顕著な事実は証明不要のため(∵151条で準用する179条1項)
枝5
5 審判の係属中、当事者又は参加人のいずれにも該当しない利害関係人の特許庁長官に対する申立てにより、証拠保全をすることができる。
証拠調べ、証拠保全の話が続くね!!
ここで、この2つの違いをざっくりまとめておこうかと。
- 証拠調べ
- 証拠方法(人証とか物証とか)から証拠資料(取り調べた結果物)を得る行為!
- 証拠保全
- 証拠調べまで待ってたら、証人が死んでしまったり、証拠が隠滅されたりする場合に、あらかじめ証拠調べをして、証拠を保全しておくこと!
(証拠調及び証拠保全)
第百五十条 審判に関しては、当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができる。
2 審判に関しては、審判請求前は利害関係人の申立により、審判の係属中は当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠保全をすることができる。
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この問題にかかわってくる条文は150条2項だね!「当事者又は参加人のいずれにも該当しない利害関係人の」申立では証拠保全はできないよね(∵150条2項)なので、答え×だね。
5 審判の係属中、当事者又は参加人のいずれにも該当しない利害関係人の特許庁長官に対する申立てにより、証拠保全をすることができる。
答え×
理由:「当事者又は参加人のいずれにも該当しない利害関係人の」申立では証拠保全はできないため(∵150条2項)
まとめ(R05短答・特実4)
【特許・実用新案】4
特許無効審判における審理に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 証拠調べに際し、審判官は、当事者に対して文書の提出を命ずることができ、当事者が文書提出命令に従わないときは、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
2 証拠調べは、双方の当事者が口頭審理の期日に出頭せず、出頭したものともみなされない場合には、することができない
3 被請求人側から答弁書の提出がなされず、口頭審理の期日にも出頭がなく、出頭したものともみなされなかった場合には、請求人の主張する無効理由の存在を被請求人側が認めたものとみなされる。
4 顕著な事実については証明が不要であるから、審判官は証拠調べをすることなく当該事実を基礎とする審決をすることができる
5 審判の係属中、当事者又は参加人のいずれにも該当しない利害関係人の特許庁長官に対する申立てにより、証拠保全をすることができる。
答え:4
理由:その他の枝は×のため
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