弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作権・不正競争】4に行きます^^
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作/不正】4
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【著作権法・不正競争防止法】4
著作権法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 映画の著作物の原著作物である小説に係る著作権は、当該映画の著作物に係る著作権の存続期間が満了するとすべて消滅する。
2 映画の著作物に係る著作権は、著作者が自然人であっても、原則としてその著作物の公表された日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過するまでの間存続する。
3 著作権は、存続期間の満了以外で消滅することはない。
4 美術の著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。question.pdf (jpo.go.jp)
5 放送事業者の著作隣接権に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過した時に存続期間が満了する
著作権の権利存続期間に関する出題だね!
1
1 映画の著作物の原著作物である小説に係る著作権は、当該映画の著作物に係る著作権の存続期間が満了するとすべて消滅する。
小説が原作で、映画は二次的著作物!
二次的著作物の存続期間に関する出題だね!!
映画の著作物・・・
小説に関する著作権は、映画の著作権が満了したら全て消滅するの??
ってとこが聞かれているんだよね!
どうだったっけ??
条文を確認してみましょう!
まず、小説=原著作者は、映画化する権利であったり、映画化したときに2次的著作物の著作者が持つ権利と同じ権利を持っているんだったよね(∵27条、28条)
(翻訳権、翻案権等)
第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
著作権法 | e-Gov法令検索
次に、映画=2次的著作物の方の規定はと言うと・・・
(映画の著作物の保護期間)
第五十四条 映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年(その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する。
2 映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。
3 前二条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない。
著作権法 | e-Gov法令検索
映画の著作権が満了で消滅したら、小説の方の著作権についても消滅するんだけど、
それは、あくまでも映画に関する著作権のみが消滅するんだったよね!(∵54条2項)
ということで、答え×
1 映画の著作物の原著作物である小説に係る著作権は、当該映画の著作物に係る著作権の存続期間が満了するとすべて消滅する。
答え×
理由:「すべて消滅する」が×。正しくは、「映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権」が消滅するため(∵54条2項)
2
2 映画の著作物に係る著作権は、著作者が自然人であっても、原則としてその著作物の公表された日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過するまでの間存続する。
これが○なんじゃ・・・
私もそう思います!
条文で映画の著作物に係る著作権の存続期間を見てみましょう!
(映画の著作物の保護期間)
第五十四条 映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年(その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する。
(保護期間の計算方法)
第五十七条 第五十一条第二項、第五十二条第一項、第五十三条第一項又は第五十四条第一項の場合において、著作者の死後七十年又は著作物の公表後七十年若しくは創作後七十年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。
著作権法 | e-Gov法令検索
自然人であっても、↑だよね??
だと思います。
起算方法は大丈夫だよね?
翌年=1月1日スタートだよね!
はい、57条も併せて↑で確認しておきましょうね。
なので、これが答え○かと思います!
2 映画の著作物に係る著作権は、著作者が自然人であっても、原則としてその著作物の公表された日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過するまでの間存続する。
答え○
理由:54条1項
3
3 著作権は、存続期間の満了以外で消滅することはない。
なんか他の理由で権利消滅しそうな気がするんだけど・・・
相続人不存在とかで権利消滅しますよね!!
さっそく条文で確認しましょう!
(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅)
第六十二条 著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。
一 著作権者が死亡した場合において、その著作権が民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十九条(残余財産の国庫への帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
二 著作権者である法人が解散した場合において、その著作権が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第二百三十九条第三項(残余財産の国庫への帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
著作権法 | e-Gov法令検索
相続人の不存在の場合、権利は消滅するんだったね!
ということは、存続期間満了以外にも、消滅する理由ありなので、
答え×だよね!!
3 著作権は、存続期間の満了以外で消滅することはない。
答え×
理由:相続人の不存在の場合等における著作権の消滅があるため(∵62条)
4
4 美術の著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。
うーん・・・どうなんだろ?
実は私もよく分からず・・・
早速条文を確認してみましょう!
(創作年月日の登録)
第七十六条の二 プログラムの著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。ただし、その著作物の創作後六月を経過した場合は、この限りでない。
2 前項の登録がされている著作物については、その登録に係る年月日において創作があつたものと推定する。
著作権法 | e-Gov法令検索
条文で確認したら、創作年月日の登録を受けるのは「プログラム」の著作物の著作者!なんだね!
「美術」ではないんだね!
じゃあ、答え×だね!
でも、どうしてプログラムだけ登録するんだろ?
プログラムはちょっと特殊のようです。
プログラム登録のメリットとして、
①訴訟時の立証が容易になる
②保護期間が明確になる
などあるみたいですよ!
4 美術の著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。
答え×
理由:創作年月日の登録を受けるのは「プログラム」の著作物の著作者のため(∵76条の2)
5
5 放送事業者の著作隣接権に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過した時に存続期間が満了する
改正で70年になったんじゃないの??
いや・・・私もそう思ったのですが・・・
調べてみたら、これは70年では無く50年だったんです・・・
えー、なんで??
(実演、レコード、放送又は有線放送の保護期間)
第百一条 著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時に始まる。
一 実演に関しては、その実演を行つた時
二 レコードに関しては、その音を最初に固定した時
三 放送に関しては、その放送を行つた時
四 有線放送に関しては、その有線放送を行つた時
2 著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時をもつて満了する。
一 実演に関しては、その実演が行われた日の属する年の翌年から起算して七十年を経過した時
二 レコードに関しては、その発行が行われた日の属する年の翌年から起算して七十年(その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して七十年を経過する時までの間に発行されなかつたときは、その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して七十年)を経過した時
三 放送に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時
四 有線放送に関しては、その有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時
著作権法 | e-Gov法令検索
放送に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年(∵101条2項3号)
となっていますね!!
えーやだやだ。
ぜんぶ70年にしてよ~
覚えられない・・・
5 放送事業者の著作隣接権に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過した時に存続期間が満了する
答え×
理由:放送に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年となっているため(∵101条2項3号)
まとめ(R05短答・著作/不正4)
【著作権法・不正競争防止法】4
著作権法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 映画の著作物の原著作物である小説に係る著作権は、当該映画の著作物に係る著作権の存続期間が満了するとすべて消滅する。
2 映画の著作物に係る著作権は、著作者が自然人であっても、原則としてその著作物の公表された日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過するまでの間存続する。
3 著作権は、存続期間の満了以外で消滅することはない。
4 美術の著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。
5 放送事業者の著作隣接権に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して 70 年を経過した時に存続期間が満了する
答え:2
理由:2のみ○。その他×
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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