弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作権・不正競争】9に行きます^^
ゴールまであとちょい!
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【著作/不正】9
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【著作権法・不正競争防止法】9
不正競争防止法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 営業秘密が記載された書類であって、社内からの持ち出しが禁止されているものを、在宅勤務のために営業秘密保有者に無断で自宅に持ち帰る行為は、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
2 自己の所有するパソコンに営業秘密のデータを上司の承認を得て保存していた従業員が、データ消去義務に反して、当該データを消去し忘れて、当該パソコンを保管し続けることは、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
3 重要な技術上の情報について秘密管理がなされていなかった場合でも、保有者に損害を加える目的で当該情報を使用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
4 レストラン経営のノウハウを含む営業秘密を管理する立場にある競業他社の社長を、その経営能力に期待して引き抜き、自社の役員として採用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。question.pdf (jpo.go.jp)
5 業務の過程で公表前の新製品に関する営業秘密を示されていた従業員が、当該営業秘密が記された書類を、誤ってセミナー資料に含めて他社の従業員に配布してしまったとしても、営業秘密に係る不正競争とはならない。
1
1 営業秘密が記載された書類であって、社内からの持ち出しが禁止されているものを、在宅勤務のために営業秘密保有者に無断で自宅に持ち帰る行為は、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
感覚的には答え×=不正競争じゃないとおもうんだけど。
だって、別にその書類を悪い目的もって持ち帰っているわけじゃないし・・・
はい。私もそう思います!
営業秘密についての条文を確認してみましょう!
(定義)
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
四 窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為(以下「営業秘密不正取得行為」という。)又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為(秘密を保持しつつ特定の者に示すことを含む。次号から第九号まで、第十九条第一項第六号、第二十一条及び附則第四条第一号において同じ。)
五 その営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
六 その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
七 営業秘密を保有する事業者(以下「営業秘密保有者」という。)からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為
八 その営業秘密について営業秘密不正開示行為(前号に規定する場合において同号に規定する目的でその営業秘密を開示する行為又は秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為をいう。以下同じ。)であること若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為
九 その取得した後にその営業秘密について営業秘密不正開示行為があったこと若しくはその営業秘密について営業秘密不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
十 第四号から前号までに掲げる行為(技術上の秘密(営業秘密のうち、技術上の情報であるものをいう。以下同じ。)を使用する行為に限る。以下この号において「不正使用行為」という。)により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為(当該物を譲り受けた者(その譲り受けた時に当該物が不正使用行為により生じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)が当該物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為を除く。)
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
長いよね・・・
はい・・・長いです・・・
4号~10号が営業秘密に関する条文だね!
ざっくりとは、
4号=権限のない者が不正に取得→その後、取得時悪意なら5号 OR 取得時善意なら、6号
7号=権限のある者が正当に取得→その後、取得時悪意なら8号 OR 取得時善意なら、9号
10号は営業秘密侵害品の譲渡等に関する規制
今回の設問の営業秘密を持ち帰る行為は、この類型のどれにも当てはまらないよね?(と思うのだけど)
ということで、答え×
1 営業秘密が記載された書類であって、社内からの持ち出しが禁止されているものを、在宅勤務のために営業秘密保有者に無断で自宅に持ち帰る行為は、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
答え×
理由:不正競争防止法2条1項4~10号に該当しないため
2
2 自己の所有するパソコンに営業秘密のデータを上司の承認を得て保存していた従業員が、データ消去義務に反して、当該データを消去し忘れて、当該パソコンを保管し続けることは、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
これもなんか「社会人あるある」じゃない?
これで刑事罰の対象にはならないんじゃない?
はい、私もそう思います。
図利加害目的もないし、答え×ではないでしょうか!
ということで、4~10号に該当せず答え×
2 自己の所有するパソコンに営業秘密のデータを上司の承認を得て保存していた従業員が、データ消去義務に反して、当該データを消去し忘れて、当該パソコンを保管し続けることは、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
答え×
理由:不正競争防止法2条1項4~10号に該当しないため
3
3 重要な技術上の情報について秘密管理がなされていなかった場合でも、保有者に損害を加える目的で当該情報を使用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
営業秘密の定義があったよね!
確か3つ!
そうそう。
その調子。
営業秘密というためには、
1秘密管理性
2有用性
3非公知性
が必要なはず!
おおー。
正解です!
早速条文を確認しましょう。
(定義)
第二条
6 この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
2条6項に条文があって、ここから営業秘密の定義がなされているんでしたよね。
で、今回の設問では、「秘密管理されていない」って書いてるから、既に営業秘密じゃないよね。
そうそう!
ということは?
営業秘密に係る不正競争となるわけないから、答え×だよね!
はい、そうです!
ということで、答え×
3 重要な技術上の情報について秘密管理がなされていなかった場合でも、保有者に損害を加える目的で当該情報を使用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
答え×
理由:「秘密管理がなされていなかった場合」は営業秘密とは言えないため(∵2条6項)、営業秘密に係る不正競争とはならないため
4
4 レストラン経営のノウハウを含む営業秘密を管理する立場にある競業他社の社長を、その経営能力に期待して引き抜き、自社の役員として採用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
なんか怪しいと言えば怪しいよね・・・
でも単なるヘッドハンティングだよね?
それだけで不正競争となるのかな・・・?
それだけでは不正競争とはならないと思われます。
単なるヘッドハンティングなだけなので。
4号~10号に該当するわけでもないし。
ということで、答え×
4 レストラン経営のノウハウを含む営業秘密を管理する立場にある競業他社の社長を、その経営能力に期待して引き抜き、自社の役員として採用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
答え×
理由:不正競争防止法2条1項4~10号に該当しないため
5
5 業務の過程で公表前の新製品に関する営業秘密を示されていた従業員が、当該営業秘密が記された書類を、誤ってセミナー資料に含めて他社の従業員に配布してしまったとしても、営業秘密に係る不正競争とはならない。
ぎゃー、これはやっちゃった系だね・・・
でも誤って配っちゃったんだよね・・・
それなら不正競争とはならないんじゃあ・・・?
はい。
その通りと思います。
図利加害目的がないので、不正競争とならないと思います
関連する条文を見てみましょう!
権限ある者の方だから7号類型の方だよね!
(定義)
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
七 営業秘密を保有する事業者(以下「営業秘密保有者」という。)からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用し、又は開示する行為
不正競争防止法 | e-Gov法令検索
正当に取得したんだけど、その後図利加害目的ありで、使用したんだったらNGだけど、
ふつーに間違えて配っちゃったんだよね・・・
なので、不正競争とはならないと思われます
5 業務の過程で公表前の新製品に関する営業秘密を示されていた従業員が、当該営業秘密が記された書類を、誤ってセミナー資料に含めて他社の従業員に配布してしまったとしても、営業秘密に係る不正競争とはならない。
答え×
理由:間違えて配っちゃっただけで、図利加害目的なしのため、不正競争とはならない(∵2条1項7号)
まとめ(R05短答・著作/不正9)
【著作権法・不正競争防止法】9
不正競争防止法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 営業秘密が記載された書類であって、社内からの持ち出しが禁止されているものを、在宅勤務のために営業秘密保有者に無断で自宅に持ち帰る行為は、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
2 自己の所有するパソコンに営業秘密のデータを上司の承認を得て保存していた従業員が、データ消去義務に反して、当該データを消去し忘れて、当該パソコンを保管し続けることは、営業秘密に係る刑事罰の対象となる。
3 重要な技術上の情報について秘密管理がなされていなかった場合でも、保有者に損害を加える目的で当該情報を使用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
4 レストラン経営のノウハウを含む営業秘密を管理する立場にある競業他社の社長を、その経営能力に期待して引き抜き、自社の役員として採用する行為は、営業秘密に係る不正競争となる。
5 業務の過程で公表前の新製品に関する営業秘密を示されていた従業員が、当該営業秘密が記された書類を、誤ってセミナー資料に含めて他社の従業員に配布してしまったとしても、営業秘密に係る不正競争とはならない。
答え:5
理由:5のみ○。その他×
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
コメント