弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】1【画像の意匠】

短答・令和5年度
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さかいろ
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ついに意匠までたどり着きました~^^パチパチ^^

早速、意匠を解説しよう!と思ったのですが、意匠は実務をした経験なく、しかも受験時代が10年ほど前なので、法改正で今の意匠法と全然違っていました・・・(涙)

なので、意匠ものんびりペースで進めて行きたいと思います^^

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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】1

さかいろ
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では、さっそく短答 過去問 令和5年度【意匠】1を見ていきます!!

令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集

【意匠】1
意匠法第2条に規定する画像の意匠の意匠登録出願に関し、次のうち、正しいものは、いくつあるか。


(イ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第1項第1号の日本国内において公然知られた画像の意匠は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。


(ロ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第2項の拒絶理由として引用される日本国内において公然知られた画像は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。


(ハ) 意匠登録出願に係る画像の意匠が、画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠である場合は、意匠登録を受けることができない。


(ニ) 意匠登録出願に際して、意匠に係る画像が、その画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたる画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。


(ホ) 画像の部分は組物の意匠を構成する場合がある。


1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし

question.pdf (jpo.go.jp)
さかいろ
さかいろ

あれ?画像意匠??画像意匠ってなんだっけ・・・やばい・・・

画像意匠のざっくり復習

さかいろ
さかいろ

画像意匠!!

令和元年意匠法の大改正で入ってきた概念でしたよね^^

  • 令和元年意匠法の大改正で入ってきた概念、画像意匠をざっくり復習
  • 法改正前
    • 物品に落とし込むこと前提で、物品と切り離すことできず、物品の形状の一部としてのみ、限定的に画像が保護
    • 例えば、デジカメの操作画像とか、パソコンの表示画像とか、物品の形状の一部としてのみOKだった。
  • 法改正後
    • 意匠法2条の定義に「画像」が追加!それにより、物品と切り離して、画像のみが保護対象となった!
    • ただし、画像であれば何でも良いのではなく、表示画像と操作画像に限定される(例えば下図)。
    • 映画やゲーム等のコンテンツ画像は×。デスクトップの壁紙等の装飾画像も×

特許庁の意匠審査基準から引用してきましたが、操作画像と表示画像はこんなやつ。法改正によりこれら画像は意匠法による保護対象となりました。

※意匠審査基準 第Ⅳ部第1章2頁より引用

※意匠審査基準 第Ⅳ部第1章3頁より引用

さかいろ
さかいろ

ざっくり確認したところで、早速問題を見ていきましょう^^

(イ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第1項第1号の日本国内において公然知られた画像の意匠は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。

さかいろ
さかいろ

これは画像に関する定義の条文=2条1項に答えありです。

(定義等)

第二条 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

意匠法 | e-Gov法令検索

画像に関する定義の条文=2条1項で、画像=機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限ると記載がありますよね^^

なので、意匠法での画像と言えば、操作画像と表示画像に限られる訳なのです。ただし、3条2項は除くと記載されていますので、新規性との関係では、操作画像と表示画像に限られる訳なのですが、創作非容易性との関係では、操作画像と表示画像に限られないということになります。

なので、答え×

(イ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第1項第1号の日本国内において公然知られた画像の意匠は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。

答え×

理由:意匠法での画像と言えば、操作画像と表示画像に限られる(∵2条1項)。意匠法第3条第1項は除外されていない

(ロ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第2項の拒絶理由として引用される日本国内において公然知られた画像は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。

さかいろ
さかいろ

これはイで説明の通りだね^^

意匠法での画像と言えば、操作画像と表示画像に限られる訳なのですが(∵2条1項)、3条2項は除くと記載されていますので、創作非容易性との関係では、操作画像と表示画像に限られない

(ロ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第2項の拒絶理由として引用される日本国内において公然知られた画像は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。

答え○

理由:2条1項にて、3条2項は除くと記載されていますので、創作非容易性との関係では、操作画像と表示画像に限られない

(ハ) 意匠登録出願に係る画像の意匠が、画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠である場合は、意匠登録を受けることができない。

さかいろ
さかいろ

これは条文そのままだね^^

5条1項3号

なので答え○

(意匠登録を受けることができない意匠)

第五条 次に掲げる意匠については、第三条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。

 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠

 他人の業務に係る物品、建築物又は画像と混同を生ずるおそれがある意匠

 物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠

意匠法 | e-Gov法令検索

5条3号に該当するNG画像は、どんなのがあるかというと、

※審査基準 第Ⅲ部 第6章 意匠登録を受けることができない意匠から引用

確かに、これに独占権を与えるのはNGですよね^^

(ハ) 意匠登録出願に係る画像の意匠が、画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠である場合は、意匠登録を受けることができない。

答え○

理由:5条3号そのまま

(ニ) 意匠登録出願に際して、意匠に係る画像が、その画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたる画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。

さかいろ
さかいろ

変化する意匠、動的意匠のことだね!

画像の動的意匠ってどんなもんになるのだろ・・・

従来の動的意匠は

・びっくり箱

・冷蔵庫の扉の開閉

・傘などの閉じたり開いたり

・色つきコマ

とかなんだけど、画像は・・・??

これは条文そのままだね^^

なのでシンプルに答えは○

動的意匠の条文6条4項!

(意匠登録出願)

第六条 

 意匠に係る物品の形状、模様若しくは色彩、建築物の形状、模様若しくは色彩又は画像がその物品、建築物又は画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたるその物品の形状等、建築物の形状等又は画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその物品、建築物又は画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。

意匠法 | e-Gov法令検索

(ニ) 意匠登録出願に際して、意匠に係る画像が、その画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたる画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。

答え○

理由:6条4項そのまま

(ホ) 画像の部分は組物の意匠を構成する場合がある。

さかいろ
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組物の意匠と部分意匠!

これは令和元年の意匠法改正により変わった部分だね!

  • 令和元年の意匠法改正
  • 改正前
    • 定義の2条の箇所で、「物品(物品の部分を含む。第八条を除き、以下同じ。)」と記載され、法改正前は、組物の意匠で部分意匠が認められていなかった
  • 改正後
    • 定義の2条の箇所で、「物品(物品の部分を含む。以下同じ。)」と記載され、組物の意匠についても、部分意匠の登録が可能となった。

ということで、答え○

(ホ) 画像の部分は組物の意匠を構成する場合がある。

答え○

理由:法改正により、組物の意匠についても、部分意匠の登録が可能となったため

まとめ(R05短答・意匠1)

【意匠】1
意匠法第2条に規定する画像の意匠の意匠登録出願に関し、次のうち、正しいものは、いくつあるか。


(イ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第1項第1号の日本国内において公然知られた画像の意匠は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。


(ロ) 画像の意匠に係る意匠登録出願について、意匠法第3条第2項の拒絶理由として引用される日本国内において公然知られた画像は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られない。


(ハ) 意匠登録出願に係る画像の意匠が、画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠である場合は、意匠登録を受けることができない。


(ニ) 意匠登録出願に際して、意匠に係る画像が、その画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたる画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。


(ホ) 画像の部分は組物の意匠を構成する場合がある。


1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし

答え:4

理由:イのみ×。その他○のため

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