弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】2【4条2項 新規性喪失例外の適用】

短答・令和5年度
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さかいろ
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意匠は自分の復習にめちゃくちゃ時間がかかるので、さらにのんびりペースに・・・^^

意匠1が気になる方はこちらへ^^

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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】2

さかいろ
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では、さっそく短答 過去問 令和5年度【意匠】2を見ていきます!!

令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集

【意匠】2
意匠法に関して、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、各設問で言及した条件のみに基づいて判断し、他の条件は考慮しないこととする。すなわち、文中に記載した場合を除いては、各出願は、関連意匠、分割又は変更に係るものでも、冒認の出願でも、補正後の意匠についての新出願でもなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正も名義変更もされていないものとする。また、文中に記載した優先権の主張は有効なものとし、文中に記載した場合を除いては、優先権の主張は存在せず、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく特例を考慮しないものとする。


1 令和5年5月1日に、甲は「スマートフォン」に係る意匠イについての意匠登録出願Aをした。意匠登録出願Aの願書に添付した図面のうち「使用状態を示す参考図」に「スマートフォン」の意匠イと「スマートフォンホルダー」の意匠ロとが表されていたが、他の図面には意匠イのみが表されていた。令和5年7月1日に、甲は意匠ロに類似する「スマートフォンホルダー」の意匠ハを展示会に出品することで公知にした。令和5年8月1日に、甲は「スマートフォンホルダー」の意匠ロについて意匠登録出願Bをした。この場合、出願Bは、意匠ハについて意匠法第4条第2項の適用を受けなくても、意匠ハの存在によって拒絶されない場合がある。


2 令和3年1月1日に甲は意匠イについて意匠登録出願Aをして、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロを展示会に出品することで公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠ハについて意匠登録出願Bをした。このとき、出願Bを、意匠イを本意匠とする関連意匠の出願とすれば、出願Bは意匠ロによって拒絶されることはない。なお、意匠イと意匠ハは類似し、また、意匠ロと意匠ハは類似する。

3 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イと非類似の意匠ロについて意匠登録出願Aをした。この場合、出願Aは、公知となった意匠イに基づき拒絶される場合はない。


4 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Aをした。甲は、意匠法第4条第3項に規定される「意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨を記載した書面」を、甲の責めに帰することができない理由により、出願Aと同時に特許庁長官に提出することができなかった。その理由がなくなった令和5年5月 10 日に、甲は、同書面を特許庁長官に提出すれば、意匠イについて意匠法第4条第2項の適用を受けることができる。


5 令和5年1月1日に甲は意匠イが図面に表された実用新案登録出願Aをし、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、出願Aについて、意匠イが記載された実用新案公報(実用新案法第 14 条第3項)が発行された。令和5年5月1日に、甲は、意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをするに際し、意匠イについて意匠法第4条2項の規定の適用を受けようとするための手続を行うことにより、意匠ロについて拒絶されない場合がある。

question.pdf (jpo.go.jp)
さかいろ
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意匠法の4条2項ってことは、新規性喪失例外の適用のとこだよね?

なんか気をつけることあったっけ??・・・やばい・・・

1

1 令和5年5月1日に、甲は「スマートフォン」に係る意匠イについての意匠登録出願Aをした。意匠登録出願Aの願書に添付した図面のうち「使用状態を示す参考図」に「スマートフォン」の意匠イと「スマートフォンホルダー」の意匠ロとが表されていたが、他の図面には意匠イのみが表されていた。令和5年7月1日に、甲は意匠ロに類似する「スマートフォンホルダー」の意匠ハを展示会に出品することで公知にした。令和5年8月1日に、甲は「スマートフォンホルダー」の意匠ロについて意匠登録出願Bをした。この場合、出願Bは、意匠ハについて意匠法第4条第2項の適用を受けなくても、意匠ハの存在によって拒絶されない場合がある。

さかいろ
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1問1問が長い・・・

甲が出願A(意匠イ/スマホ・参考図に意匠ロ/ホルダ)→意匠ハ(≒意匠ロ)が公知→出願B(意匠ロ/ホルダ)するけど、新規性喪失の例外適用は必要?ってとこが問題だよね。

「スマホ」の意匠イと、「スマホホルダ」の意匠ロは類似にはならないよね!

なので、出願Bを出願Aの関連意匠として出願するのは無理っぽいので、これは、新規性喪失の例外適用はしないと拒絶されちゃうよね。

なので答え×(と思う)

1 令和5年5月1日に、甲は「スマートフォン」に係る意匠イについての意匠登録出願Aをした。意匠登録出願Aの願書に添付した図面のうち「使用状態を示す参考図」に「スマートフォン」の意匠イと「スマートフォンホルダー」の意匠ロとが表されていたが、他の図面には意匠イのみが表されていた。令和5年7月1日に、甲は意匠ロに類似する「スマートフォンホルダー」の意匠ハを展示会に出品することで公知にした。令和5年8月1日に、甲は「スマートフォンホルダー」の意匠ロについて意匠登録出願Bをした。この場合、出願Bは、意匠ハについて意匠法第4条第2項の適用を受けなくても、意匠ハの存在によって拒絶されない場合がある。

答え:×

理由:「スマホ」の意匠イと、「スマホホルダ」の意匠ロは類似にはならないため、関連意匠として出願不可のため

2

2 令和3年1月1日に甲は意匠イについて意匠登録出願Aをして、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロを展示会に出品することで公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠ハについて意匠登録出願Bをした。このとき、出願Bを、意匠イを本意匠とする関連意匠の出願とすれば、出願Bは意匠ロによって拒絶されることはない。なお、意匠イと意匠ハは類似し、また、意匠ロと意匠ハは類似する。

これは答え○だよね!

関連意匠として出願すれば、その間にあった公知行為により新規性喪失はしなかったよね!

条文はこちら10条2項

出願B(意匠ハ)は、ホントは意匠ロ(≒ハ)の展示会出展により、3条1項1号に該当して、新規性ナシとなるところ、出願A(意匠イ)の関連意匠として出願することで、10条2項により新規性ナシとは判断されなくなるんだったよね!

(関連意匠)

第十条 

 第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた自己の意匠のうち前項の規定により意匠登録を受けようとする意匠の本意匠と同一又は類似のものは、当該意匠登録を受けようとする意匠についての同条第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

意匠法 | e-Gov法令検索

2 令和3年1月1日に甲は意匠イについて意匠登録出願Aをして、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロを展示会に出品することで公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠ハについて意匠登録出願Bをした。このとき、出願Bを、意匠イを本意匠とする関連意匠の出願とすれば、出願Bは意匠ロによって拒絶されることはない。なお、意匠イと意匠ハは類似し、また、意匠ロと意匠ハは類似する。

答え:○

理由:出願B(意匠ハ)は、ホントは意匠ロ(≒ハ)の展示会出展により、3条1項1号に該当して、新規性ナシとなるところ、出願A(意匠イ)の関連意匠として出願することで、10条2項により新規性ナシとは判断されなくなる

3

3 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イと非類似の意匠ロについて意匠登録出願Aをした。この場合、出願Aは、公知となった意匠イに基づき拒絶される場合はない。

展示会で公知(イ)→出願A(ロ)≠イの場合、出願A(ロ)は公知意匠イで拒絶されるか?されないか?ということなんだけれど・・・

確かに3条1項の新規性の判断は、意匠が同一又は類似でないと適用されなかったよね。でも、3条2項の創作非容易性の判断は、そのようなしばりもなく、非類似であっても適用されるので、公知意匠イに基づき、3条2項で拒絶される可能性はあるよね!

なので答え×

3 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イと非類似の意匠ロについて意匠登録出願Aをした。この場合、出願Aは、公知となった意匠イに基づき拒絶される場合はない。

答え:×

理由:3条1項の新規性の判断は、意匠が同一又は類似でないと適用されなかったが、3条2項の創作非容易性の判断は、非類似であっても適用されるので、公知意匠イに基づき、3条2項で拒絶される可能性はあるため

4

4 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Aをした。甲は、意匠法第4条第3項に規定される「意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨を記載した書面」を、甲の責めに帰することができない理由により、出願Aと同時に特許庁長官に提出することができなかった。その理由がなくなった令和5年5月 10 日に、甲は、同書面を特許庁長官に提出すれば、意匠イについて意匠法第4条第2項の適用を受けることができる。

さかいろ
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新規性喪失例外の適用を受けるための書面についてですよね

(意匠の新規性の喪失の例外)

第四条 

 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠が前項の規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する書面(次項及び第六十条の七において「証明書」という。)を意匠登録出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

 証明書を提出する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。

意匠法 | e-Gov法令検索
  • 新規性喪失例外の適用を受けるための書面 2つ
  • その旨を記載した書面
    • 出願と同時∵4条3項
    • 追完はなし!
  • 証明書∵4条4項
    • 出願の日から30日以内
    • 負責事由あり
      • 理由がなくなった日から14日以内(在外者2月)であって、経過後6ヶ月以内

なので、問題では「その旨を記載した書面」となっているので、出願と同時に提出する必要があるため(証明書だけが追完できるだけ)、答え×

4 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Aをした。甲は、意匠法第4条第3項に規定される「意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨を記載した書面」を、甲の責めに帰することができない理由により、出願Aと同時に特許庁長官に提出することができなかった。その理由がなくなった令和5年5月 10 日に、甲は、同書面を特許庁長官に提出すれば、意匠イについて意匠法第4条第2項の適用を受けることができる。

答え:×

理由:「意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨を記載した書面」は、出願と同時に提出する必要があるため(証明書だけが追完できるだけ)∵4条3項、4項

5

5 令和5年1月1日に甲は意匠イが図面に表された実用新案登録出願Aをし、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、出願Aについて、意匠イが記載された実用新案公報(実用新案法第 14 条第3項)が発行された。令和5年5月1日に、甲は、意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをするに際し、意匠イについて意匠法第4条2項の規定の適用を受けようとするための手続を行うことにより、意匠ロについて拒絶されない場合がある。

これは4条2項かっこ書きのところだね!!

(意匠の新規性の喪失の例外)

第四条 

 意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠(発明、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項第一号又は第二号に該当するに至つたものを除く。)も、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同項及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。

意匠法 | e-Gov法令検索

いくら甲の行為に起因して、新規性がなくなったといっても、実案などの広報に掲載されて新規性がなくなったものまでをフォローすることはしませんよってことですよね^^

なので、答え×

5 令和5年1月1日に甲は意匠イが図面に表された実用新案登録出願Aをし、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、出願Aについて、意匠イが記載された実用新案公報(実用新案法第 14 条第3項)が発行された。令和5年5月1日に、甲は、意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをするに際し、意匠イについて意匠法第4条2項の規定の適用を受けようとするための手続を行うことにより、意匠ロについて拒絶されない場合がある。

答え:×

理由:いくら甲の行為に起因して、新規性がなくなったといっても、実案などの広報に掲載されて新規性がなくなったものまでをフォローしないため(∵4条2項かっこ書き)

まとめ(R05短答・意匠2)

【意匠】2
意匠法に関して、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、各設問で言及した条件のみに基づいて判断し、他の条件は考慮しないこととする。すなわち、文中に記載した場合を除いては、各出願は、関連意匠、分割又は変更に係るものでも、冒認の出願でも、補正後の意匠についての新出願でもなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正も名義変更もされていないものとする。また、文中に記載した優先権の主張は有効なものとし、文中に記載した場合を除いては、優先権の主張は存在せず、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく特例を考慮しないものとする。


1 令和5年5月1日に、甲は「スマートフォン」に係る意匠イについての意匠登録出願Aをした。意匠登録出願Aの願書に添付した図面のうち「使用状態を示す参考図」に「スマートフォン」の意匠イと「スマートフォンホルダー」の意匠ロとが表されていたが、他の図面には意匠イのみが表されていた。令和5年7月1日に、甲は意匠ロに類似する「スマートフォンホルダー」の意匠ハを展示会に出品することで公知にした。令和5年8月1日に、甲は「スマートフォンホルダー」の意匠ロについて意匠登録出願Bをした。この場合、出願Bは、意匠ハについて意匠法第4条第2項の適用を受けなくても、意匠ハの存在によって拒絶されない場合がある。


2 令和3年1月1日に甲は意匠イについて意匠登録出願Aをして、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロを展示会に出品することで公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠ハについて意匠登録出願Bをした。このとき、出願Bを、意匠イを本意匠とする関連意匠の出願とすれば、出願Bは意匠ロによって拒絶されることはない。なお、意匠イと意匠ハは類似し、また、意匠ロと意匠ハは類似する。

3 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イと非類似の意匠ロについて意匠登録出願Aをした。この場合、出願Aは、公知となった意匠イに基づき拒絶される場合はない。


4 令和5年4月1日に、甲は展示会に出品することで意匠イを公知とした。令和5年5月1日に、甲は意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Aをした。甲は、意匠法第4条第3項に規定される「意匠法第4条第2項の適用を受けようとする旨を記載した書面」を、甲の責めに帰することができない理由により、出願Aと同時に特許庁長官に提出することができなかった。その理由がなくなった令和5年5月 10 日に、甲は、同書面を特許庁長官に提出すれば、意匠イについて意匠法第4条第2項の適用を受けることができる。


5 令和5年1月1日に甲は意匠イが図面に表された実用新案登録出願Aをし、その後登録を受けた。令和5年4月1日に、出願Aについて、意匠イが記載された実用新案公報(実用新案法第 14 条第3項)が発行された。令和5年5月1日に、甲は、意匠イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをするに際し、意匠イについて意匠法第4条2項の規定の適用を受けようとするための手続を行うことにより、意匠ロについて拒絶されない場合がある。

答え:2

理由:2のみ○。それ以外×のため

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