次、弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】8にいきます!
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【意匠】8
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【意匠】8
意匠の審判制度に関し、次のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り拒絶査定不服審判を請求することができる。
(ロ) 補正却下決定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により意匠法第 47 条第1項に規定する期間内にその請求をすることができない場合には、その理由がなくなった日から 14 日以内(在外者にあっては、2月)でその期間の経過後6月以内であればその請求を行うことができる。
(ハ) 不適法な無効審判の請求については、いかなる場合であっても、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもってこれを却下することができない。
(ニ) 意匠登録無効審判は、意匠権の消滅後には請求することができない。
(ホ) 意匠登録は、意匠登録無効審判以外の方法により、無効にできる場合がある。question.pdf (jpo.go.jp)
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
イ
(イ) 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り拒絶査定不服審判を請求することができる。
拒絶査定不服審判の請求の期限、覚えているかな??
はい!拒絶査定謄本の送達日から3月以内!!
そうですね!!
ということで、設問では 30 日以内となっているので、ココが×となりますよね。
条文でも確認してみましょう!
意匠法46条1項です。
(拒絶査定不服審判)
第四十六条 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
2 拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
意匠法 | e-Gov法令検索
ということで、30日以内ではなく3ヶ月以内なので、答え×となりますよね。
なぜこんな問題が出ているかというと、H20改正前は本当に30日以内だったんですね。あまりにも短すぎて出願人側に酷ということで、このときの改正により30日→3月と法定期間が改正され、期間が延びたんですね!
(イ) 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り拒絶査定不服審判を請求することができる。
答え×
理由:30日以内ではなく3ヶ月以内であるため(∵意匠法46条1項)
ロ
(ロ) 補正却下決定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により意匠法第 47 条第1項に規定する期間内にその請求をすることができない場合には、その理由がなくなった日から 14 日以内(在外者にあっては、2月)でその期間の経過後6月以内であればその請求を行うことができる。
補正却下決定不服審判は特許にはない制度だったよね!
覚えているかな??
えっと・・・・
まず補正却下決定不服審判をざっくり復習しましょう^^
(補正の却下)
第十七条の二 願書の記載又は願書に添付した図面、写真、ひな形若しくは見本についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。
意匠法 | e-Gov法令検索
うん、ざっくり理解した!
で、設問の内容に入りますが、不責事由による追完についてですよね!
これがどうなっているかというと・・・
(補正却下決定不服審判)
第四十七条 第十七条の二第一項の規定による却下の決定を受けた者は、その決定に不服があるときは、その決定の謄本の送達があつた日から三月以内に補正却下決定不服審判を請求することができる。ただし、第十七条の三第一項に規定する新たな意匠登録出願をしたときは、この限りでない。
2 前条第二項の規定は、補正却下決定不服審判の請求に準用する。
第四十六条 2 拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
意匠法 | e-Gov法令検索
拒絶査定不服審判の不責事由の追完を準用しているんですね(47条2項)!
なので、答え条文そのままで○となります。
(ロ) 補正却下決定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により意匠法第 47 条第1項に規定する期間内にその請求をすることができない場合には、その理由がなくなった日から 14 日以内(在外者にあっては、2月)でその期間の経過後6月以内であればその請求を行うことができる。
答え○
理由:拒絶査定不服審判の不責事由の追完と同じ(∵47条2項で準用の46条2項)
ハ
(ハ) 不適法な無効審判の請求については、いかなる場合であっても、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもってこれを却下することができない。
「いかなる場合でも」ってのが怪しいよね~~~
×っぽい気がするんだけど!
そうですね!
もし本番で本当に分からないときは、もう直感で解いてしまいましょう^^
ここは解説コーナーなので^^
解説しますね!
不適法な無効審判の請求については、意匠法では特許法を準用しております!
意匠法52条で準用する特許法135条です!
(不適法な審判請求の審決による却下)
第百三十五条 不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。
特許法 | e-Gov法令検索
(特許法の準用)
第五十二条 特許法第百三十一条第一項及び第二項、第百三十一条の二(第一項第三号及び第二項第一号を除く。)から第百三十四条まで、第百三十五条から第百五十四条まで、第百五十五条第一項及び第二項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百五十八条、第百六十条第一項及び第二項、第百六十一条並びに第百六十七条から第百七十条まで(審判の請求、審判官、審判の手続、訴訟との関係及び審判における費用)の規定は、審判に準用する。この場合において、同法第百五十六条第一項中「特許無効審判以外の審判においては、事件が」とあるのは「事件が」と、同法第百六十一条中「拒絶査定不服審判」とあり、及び同法第百六十九条第三項中「拒絶査定不服審判及び訂正審判」とあるのは「拒絶査定不服審判及び補正却下決定不服審判」と読み替えるものとする。
意匠法 | e-Gov法令検索
ということで、最初の直感通り「いかなる場合であっても・・・できない」というのが×で、「その補正をすることができないものについては・・・できる」が条文通りとなります。
(ハ) 不適法な無効審判の請求については、いかなる場合であっても、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもってこれを却下することができない。
答え×
理由:「いかなる場合であっても・・・審決却下できない」が×で、正しくは、「その補正をすることができないものについては・・・審決却下できる」となるため(∵意匠法52条で準用する特許法135条)。
ニ
(ニ) 意匠登録無効審判は、意匠権の消滅後には請求することができない。
これも条文通りですね!
特許と一緒なので、特許の知識でも解けますよね!!
早速確認しましょう!
意匠法の48条3項です。
(意匠登録無効審判)
第四十八条
3 意匠登録無効審判は、意匠権の消滅後においても、請求することができる。
意匠法 | e-Gov法令検索
なぜ意匠権が消滅した後においても、無効審判が請求可能かというと、過去の侵害行為について損害賠償を請求される場合があり(民709条)、その場合の対抗措置として、権利消滅後においても無効審判が請求できるんでしたよね!
このあたりは特許無効審判と全く同じですよね(特許法123条)
こういう背景みたいなのをざっくり覚えておくと、正答率上がりますよね^^
ということで、答え×
(ニ) 意匠登録無効審判は、意匠権の消滅後には請求することができない。
答え×
理由:権利消滅後も請求できるため(∵意匠法48条3項)
ホ
(ホ) 意匠登録は、意匠登録無効審判以外の方法により、無効にできる場合がある。
無効審判以外に無効にする方法!?
なんだかありそうな、無さそうな・・・・分かんない。
特許だったら、無効審判以外に「異議申立」があるよね!
でも「異議申立」は意匠には無いよね・・・
ということは?!
なんと意匠登録は無効審判以外に無効に出来る場合がないのです。
ということで、答え×
(ホ) 意匠登録は、意匠登録無効審判以外の方法により、無効にできる場合がある。
答え×
理由:意匠登録は無効審判以外に無効に出来る場合がないため
まとめ(R05短答・意匠8)
【意匠】8
意匠の審判制度に関し、次のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から 30 日以内に限り拒絶査定不服審判を請求することができる。
(ロ) 補正却下決定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により意匠法第 47 条第1項に規定する期間内にその請求をすることができない場合には、その理由がなくなった日から 14 日以内(在外者にあっては、2月)でその期間の経過後6月以内であればその請求を行うことができる。
(ハ) 不適法な無効審判の請求については、いかなる場合であっても、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもってこれを却下することができない。
(ニ) 意匠登録無効審判は、意匠権の消滅後には請求することができない。
(ホ) 意匠登録は、意匠登録無効審判以外の方法により、無効にできる場合がある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
答え:1
理由:ロのみ○。それ以外×
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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