弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】1【PCT】

短答・令和5年度
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さかいろ
さかいろ

ようやく、条約!長い~

弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】1に行きます^^

ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。

弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】1

令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集

【条約】1
特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。


1 発明の単一性の要件の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であっても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。


2 国際出願は、出願人がその国民であるか又は居住者である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対してのみ行わなければならない。


3 受理官庁は、国際出願として提出される書類が、特許協力条約第 11 条(1)に掲げる要件を満たしていない、又は満たしていると思われないと認めた場合には、当該受理官庁は、出願人に対して必ず補充書の提出を求めなければならない。


4 国際出願に発明の名称の記載がない場合において、受理官庁が出願人に対し当該欠陥の補充をすることを求めた旨を国際調査機関に通知したときは、国際調査機関は、その欠陥が補充されるまで国際調査を中断する。


5 国際調査は、当該発明を分類することができる技術分野に属する技術についてのみではなく、類似の技術についても調査の対象とするが、類似の技術とすべきかの問題は、当該国際出願に明示的に記載されている特定の機能のみに照らして考慮する

question.pdf (jpo.go.jp)
さかいろ
さかいろ

ようやく条約にまで来たね!

受験生みーこ
受験生みーこ

あともうチョイだね!!

R05 短答 条約1

1 発明の単一性の要件の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であっても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。

受験生みーこ
受験生みーこ

なんじゃこりゃ・・・??

どこで文章切れるねーん!

ちょっと文章が意味不明・・・

さかいろ
さかいろ

独特の書き方だよね~

私も苦手です。

第十三規則
発明の単一性

13.1 要件
国際出願は、一の発明又は単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明についてのみ行う(「発明の単一性の要件」)。

・・・省略・・・

13.4 従属請求の範囲
13.1の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であつても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。

特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
さかいろ
さかいろ

調べてみたら、規則13.4の条文通りなのよね!

なので、答え○ということになるんだけれど・・・

受験生みーこ
受験生みーこ

でも、こんな細かいとこまで把握できない・・・(涙)

さかいろ
さかいろ

だよね・・・

そういうときは他の設問から考えていって、判断しよう!

受験生みーこ
受験生みーこ

ちなみにこの設問の意味は??

さかいろ
さかいろ

多分、従属請求項のみで特徴ありの場合も、別に独立請求項に含めてもOK!という意味かと思うのですけど・・・私もよく分からない。

1 発明の単一性の要件の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であっても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。

答え○

理由:PCT規則13.4通り

R05 短答 条約1

2 国際出願は、出願人がその国民であるか又は居住者である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対してのみ行わなければならない。

受験生みーこ
受験生みーこ

またまた意味不明・・・

苦手~

さかいろ
さかいろ

条約苦手だよね~私も。

国際出願はどこにしますか?国内官庁のみですか?って質問ですね。

受験生みーこ
受験生みーこ

「のみ」ってところが怪しいよね~

さかいろ
さかいろ

そうそう!

もう条約に到達する頃には頭もヘトヘトになっているから、直感も大事にしよう!

第十九規則
管轄受理官庁
19.1 出願先
(a) 国際出願は、(b)の規定が適用される場合を除くほか、出願人の選択により、次のいずれかに対して行う。
(ⅰ) 出願人がその居住者である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁
(ⅱ) 出願人がその国民である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁
(ⅲ) 国際事務局(出願人がその居住者又は国民である締約国のいかんを問わない。)
(b) 締約国は、他の締約国又は政府間機関との間で、当該他の締約国の国内官庁又は政府間機関が自国の国内官庁に代わつて自国の居住者又は国民である出願人のための受理官庁として全部又は一部の目的のために行動することについて合意することができる。その合意にかかわらず、当該締約国の国内官庁は、第十五条(5)の規定の適用上、権限のある受理官庁とみなす。
(c) 総会は、第九条(2)の規定に基づいて行つた決定に関連して、その特定した国の居住者又は国民の出願のための受理官庁として行動する国内官庁又は政府間機関を選定する。その選定には、当該国内官庁又は政府間機関の事前の同意を必要とする。

特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
さかいろ
さかいろ

細かいとこ抜きにして、PCT規則19.1によると、ざっくりとは、

国際出願は、

●国内官庁(=日本の場合、特許庁)

●国際事務局

どちらにでもOKってことだね!

さかいろ
さかいろ

ということで、国内官庁のみとなっているので、答え×だね!

2 国際出願は、出願人がその国民であるか又は居住者である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対してのみ行わなければならない。

答え×

理由:国内官庁のみが×。国際事務局に対しても可能(∵PCT規則19.1

R05 短答 条約1

3 受理官庁は、国際出願として提出される書類が、特許協力条約第 11 条(1)に掲げる要件を満たしていない、又は満たしていると思われないと認めた場合には、当該受理官庁は、出願人に対して必ず補充書の提出を求めなければならない。

受験生みーこ
受験生みーこ

これも分かんない・・・

でも「必ず」ってのがなんか怪しい~

そもそも特許協力条約11条って何だっけ?

さかいろ
さかいろ

特許協力条約11条から確認しましょう!

第十一条
国際出願日及び国際出願の効果
(1) 受理官庁は、次の要件が受理の時に満たされていることを確認することを条件として、国際出願の受理の日を国際出願日として認める。
(ⅰ) 出願人が、当該受理官庁に国際出願をする資格を住所又は国籍上の理由により明らかに欠いている者でないこと。
(ⅱ) 国際出願が所定の言語で作成されていること。
(ⅲ) 国際出願に少なくとも次のものが含まれていること。
(a) 国際出願をする意思の表示
(b) 少なくとも一の締約国の指定
(c) 出願人の氏名又は名称の所定の表示
(d) 明細書であると外見上認められる部分
(e) 請求の範囲であると外見上認められる部分

特許協力条約 PCT Treaty (Japanese) (wipo.int)
さかいろ
さかいろ

特許協力条約11条は、国際出願日の認定の条件を決めている条文なんだね!

さかいろ
さかいろ

改めて、設問を読むと、国際出願日の認定の条件を満たしていなさそうな場合、どうするんだっけ?必ず補充書提出しなきゃダメだっけ?ってとこが、質問の意図なんだね!

国際出願日の認定の条件を満たしていなさそうな場合の規則は、PCT規則20.3

20.3 第十一条の規定に基づく欠陥
(a) 受理官庁は、国際出願として提出される書類が第十一条(1)に掲げる要件を満たしているかどうかを決定するに当たつて、第十一条(1)に掲げる要件を満たしていない、又は満たしていると思われないと認めた場合には、当該受理官庁は、出願人の選択により、出願人に対し次のいずれかのことを求める。
(ⅰ) 第十一条(2)の規定に基づき必要とされる補充書を提出すること。
(ⅱ) 当該要件が第十一条(1)(ⅲ)(d)又は(e)に規定する要素に関するものである場合には、当該要素を4.18の規定に基づく引用により含めることを20.6(a)の規定に従つて確認すること。

特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
さかいろ
さかいろ

PCT規則20.3によると、国際出願日の認定の条件を満たしていなさそうな場合

補充書を提出

引用により含める( EX.明細書であると外見上認められる部分を引用で示す等)

を選択できるんだね!

設問では、「必ず」補充書を提出と記載されているので、答え×。

3 受理官庁は、国際出願として提出される書類が、特許協力条約第 11 条(1)に掲げる要件を満たしていない、又は満たしていると思われないと認めた場合には、当該受理官庁は、出願人に対して必ず補充書の提出を求めなければならない。

答え×

理由:「必ず」補充書を提出と記載されているところが×。引用により含める方法を選択することも可能(∵PCT規則20.3

R05 短答 条約1

4 国際出願に発明の名称の記載がない場合において、受理官庁が出願人に対し当該欠陥の補充をすることを求めた旨を国際調査機関に通知したときは、国際調査機関は、その欠陥が補充されるまで国際調査を中断する

受験生みーこ
受験生みーこ

発明の名称??

そんなに重要な部分じゃなさそうだし、調査中断まではしないんじゃない?

さかいろ
さかいろ

はい、直感で正しいです。

詳細を確認してみましょう!

PCT規則37.1

第三十七規則
発明の名称の欠落又は欠陥
37.1 発明の名称の欠落
国際出願に発明の名称の記載がない場合において、受理官庁が出願人に対し当該欠陥の補充をすることを求めた旨を国際調査機関に通知したときは、国際調査機関は、その国際出願は取り下げられたものとみなす旨の通知を受領しない限り、国際調査を続行する。
37.2 発明の名称の決定
国際出願に発明の名称の記載がない場合において出願人に対し発明の名称の補充をすることを求めた旨の受理官庁からの通知を国際調査機関が受領していないとき又は発明の名称が4.3の規定に従つていないと国際調査機関が認めた場合には、国際調査機関は、自ら発明の名称を決定する。当該発明の名称は、当該国際出願の国際公開に用いられる言語又は23.1(b)の規定に基づき他の言語による翻訳文が送付されかつ国際調査機関が希望する場合には当該翻訳文の言語で決定する。

特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
さかいろ
さかいろ

PCT規則37.1によると、発明の名称の記載がない場合でも、原則、国際調査を続行することが記載。

受験生みーこ
受験生みーこ

じゃあ、その後、どうなるの?

発明の名称の記載ないままなの??

さかいろ
さかいろ

その後は、PCT規則37.2によると、国際調査機関は、自ら発明の名称を決定するという流れになります!

国際調査機関が発明の名称を勝手に決めちゃうんだね!

ということで、答え×

4 国際出願に発明の名称の記載がない場合において、受理官庁が出願人に対し当該欠陥の補充をすることを求めた旨を国際調査機関に通知したときは、国際調査機関は、その欠陥が補充されるまで国際調査を中断する

答え×

理由:発明の名称の記載がない場合でも、原則、国際調査を続行(∵PCT規則37.1)

R05 短答 条約1

5 国際調査は、当該発明を分類することができる技術分野に属する技術についてのみではなく、類似の技術についても調査の対象とするが、類似の技術とすべきかの問題は、当該国際出願に明示的に記載されている特定の機能のみに照らして考慮する

受験生みーこ
受験生みーこ

これも分かんないなあ・・・

でも「のみ」がついてて怪しいよね~

×っぽい

さかいろ
さかいろ

はい、×です。

詳しく見ていきましょう!

33.2 国際調査を行うべき分野
(a) 国際調査は、当該発明に関連する技術を包含する可能性があるすべての技術分野につき及びその可能性があるすべての調査用資料に基づいて行う。
(b) したがつて、当該発明を分類することができる技術分野に属する技術についてのみでなく、類似の技術(いずれの分野に分類されるかを問わない。)についても調査する。
(c) 当該事案においていずれの技術を類似の技術とすべきかの問題については、当該国際出願に明示的に記載されている特定の機能のみならず、当該発明の必然的かつ本質的な機能又は用途であると思われるものに照らして考慮する。
(d) 国際調査は、国際出願に記載されている発明がその細部において異なつている場合であつても、請求の範囲に記載されている発明の対象とその発明の全部又は一部の特徴について均等であると一般に認められているすべての事項を包含するものとする。

特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
さかいろ
さかいろ

PCT規則33.2(C)ですね!

技術の類似の判断は、明示的に記載されている特定の機能のみならず、当該発明の必然的かつ本質的な機能又は用途であると思われるものに照らして考慮するとなっています!

受験生みーこ
受験生みーこ

そんな細かいところまで見れないよ・・・(涙)

さかいろ
さかいろ

PCTは結構細かいところまで聞かれますよね・・・

大まかに覚えて、あとは直感で頑張るしかないよね・・・

5 国際調査は、当該発明を分類することができる技術分野に属する技術についてのみではなく、類似の技術についても調査の対象とするが、類似の技術とすべきかの問題は、当該国際出願に明示的に記載されている特定の機能のみに照らして考慮する

答え×

理由:技術の類似の判断は、明示的に記載されている特定の機能のみならず、当該発明の必然的かつ本質的な機能又は用途であると思われるものに照らして考慮する(PCT規則33.2(C))

まとめ(R05短答・条約1)

【条約】1
特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。


1 発明の単一性の要件の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であっても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。


2 国際出願は、出願人がその国民であるか又は居住者である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対してのみ行わなければならない。


3 受理官庁は、国際出願として提出される書類が、特許協力条約第 11 条(1)に掲げる要件を満たしていない、又は満たしていると思われないと認めた場合には、当該受理官庁は、出願人に対して必ず補充書の提出を求めなければならない。


4 国際出願に発明の名称の記載がない場合において、受理官庁が出願人に対し当該欠陥の補充をすることを求めた旨を国際調査機関に通知したときは、国際調査機関は、その欠陥が補充されるまで国際調査を中断する。


5 国際調査は、当該発明を分類することができる技術分野に属する技術についてのみではなく、類似の技術についても調査の対象とするが、類似の技術とすべきかの問題は、当該国際出願に明示的に記載されている特定の機能のみに照らして考慮する

答え:1

理由:1のみ○。その他×

ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。

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