弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】4に行きます^^
これも条約1~3に引き続き、PCTからの出題!
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】4
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【条約】4
特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
1 国際予備審査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が、動物の体の診断方法である場合でも、当該国際出願の全部又は一部について国際予備審査を行うことができる。
2 特許協力条約第 31 条(2)(b)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、総会は、いずれかの国内官庁にされた国際出願について管轄する国際予備審査機関を特定するに当たり、当該国内官庁が国際予備審査機関である場合には当該国内官庁を優先させ、当該国内官庁が国際予備審査機関でない場合には当該国内官庁が推薦する国際予備審査機関を優先させる。
3 国際予備審査機関は、国際出願の形式又は内容に特許協力条約又は規則に定める欠陥があると認めた場合、出願人にその旨を書面で通知し、この通知において、補正書を提出することを出願人に求めることがあるが、答弁書を提出することを出願人に求めることはない。
4 出願人は、国際予備審査機関と書面で連絡する権利を有するのみならず、口頭で国際予備審査機関と連絡する権利をも有する。question.pdf (jpo.go.jp)
5 国際予備審査報告には、請求の範囲に記載されている発明がいずれかの国内法令により特許を受けることができる発明であるかどうか又は特許を受けることができる発明であると思われるかどうかの問題についてのいかなる陳述をも記載してはならない
1
1 国際予備審査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が、動物の体の診断方法である場合でも、当該国際出願の全部又は一部について国際予備審査を行うことができる
語尾が「できる」だし、できる場合はあるんじゃないの??
はい、その通りですが、
詳しく見ていきましょう!
PCT規則では、こういうケースでは国際予備審査しなくてもいいよって規定ぶりになっておりまして、
第六十七規則
特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
第三十四条(4)(a)(ⅰ)に規定する国際出願の対象
67.1 定義
国際予備審査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が次のいずれかである場合には、当該国際出願の全部又は一部について国際予備審査を行うことを要しない。
(ⅰ) 科学及び数学の理論
(ⅱ) 植物及び動物の品種又は植物及び動物の生産の本質的に生物学的な方法。ただし、微生物学的方法及び微生物学的方法による生産物については、この限りでない。
(ⅲ) 事業活動、純粋に精神的な行為の遂行又は遊戯に関する計画、法則又は方法
(ⅳ) 手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の診断方法
(ⅴ) 情報の単なる提示
(ⅵ) コンピューター・プログラムのうち国際予備審査機関が当該プログラムについて国際予備審査を行う態勢にある範囲外のもの
PCT規則67.1(ⅳ)に動物の体の処置方法が例示されていて、コレに該当したら国際予備審査を行うことを要しないって規定となっております!
なるほど~
ついでに、国際調査報告が作成されない場合も同じなので確認しておきましょう!
PCT規則39.1
本当だ、一緒だね!!
来年あたり出題されたりしてね~
第三十九規則
特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
第十七条(2)(a)(ⅰ)に規定する国際出願の対象
39.1 定義
国際調査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が次のいずれかである場合には、当該国際出願の全部又は一部について調査をすることを要しない。
(ⅰ) 科学及び数学の理論
(ⅱ) 植物及び動物の品種又は植物及び動物の生産の本質的に生物学的な方法。ただし、微生物学的方法及び微生物学的方法による生産物については、この限りでない。
(ⅲ) 事業活動、純粋に精神的な行為の遂行又は遊戯に関する計画、法則又は方法
(ⅳ) 手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の診断方法
(ⅴ) 情報の単なる提示
(ⅵ) コンピューター・プログラムのうち国際調査機関が当該プログラムについて先行技術を調査する態勢にある範囲外のもの
国際予備審査も、国際調査報告も一定の場合は必要なし!
1 国際予備審査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が、動物の体の診断方法である場合でも、当該国際出願の全部又は一部について国際予備審査を行うことができる
答え○
理由:PCT規則67.1(ⅳ)に動物の体の処置方法が例示されていて、コレに該当したら国際予備審査を行うことを要しないって規定ありのため
2
2 特許協力条約第 31 条(2)(b)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、総会は、いずれかの国内官庁にされた国際出願について管轄する国際予備審査機関を特定するに当たり、当該国内官庁が国際予備審査機関である場合には当該国内官庁を優先させ、当該国内官庁が国際予備審査機関でない場合には当該国内官庁が推薦する国際予備審査機関を優先させる。
なんか○っぽい。
でも決め手にはならない
細かいところまで出題されるので、私も分かりませんでした・・・
が、内容的には、なんか○っぽいよね・・・
PCT規則を調べてみましたらコチラ
59.2 第三十一条(2)(b)の規定に基づく国際予備審査の請求
特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
第三十一条(2)(b)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、総会は、いずれかの国内官庁にされた国際出願について管轄する国際予備審査機関を特定するに当たり、当該国内官庁が国際予備審査機関である場合には当該国内官庁を優先させ、当該国内官庁が国際予備審査機関でない場合には当該国内官庁が推薦する国際予備審査機関を優先させる。
ということで、実はPCT規則59.2通りで答え○
ええ~、こんな細かいところまで知らないし~
本番では、×を1つ探せば良いだけなので、こういう分からないヤツは飛ばしましょう!
2 特許協力条約第 31 条(2)(b)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、総会は、いずれかの国内官庁にされた国際出願について管轄する国際予備審査機関を特定するに当たり、当該国内官庁が国際予備審査機関である場合には当該国内官庁を優先させ、当該国内官庁が国際予備審査機関でない場合には当該国内官庁が推薦する国際予備審査機関を優先させる。
答え○
理由:PCT規則59.2通り
3
3 国際予備審査機関は、国際出願の形式又は内容に特許協力条約又は規則に定める欠陥があると認めた場合、出願人にその旨を書面で通知し、この通知において、補正書を提出することを出願人に求めることがあるが、答弁書を提出することを出願人に求めることはない。
補正書は出せるのに答弁書はダメなの?
そんなことは無さそう・・・なので答え×なのでは??
ですよね!
私もそう思いました!
規則を確認して見ましょう!
66.2 国際予備審査機関の書面による見解
(a) 国際予備審査機関は、次のいずれかの場合には、出願人にその旨を書面で通知する。
(ⅰ) 当該国際予備審査機関が、第三十四条(4)に規定するいずれかの事由があると認めた場合
(ⅱ) 当該国際予備審査機関が、いずれかの請求の範囲に記載されている発明が新規性を有するもの、進歩性を有するもの(自明のものではないもの)又は産業上の利用可能性を有するものとは認められないため、当該請求の範囲について国際予備審査報告が否定的となると認めた場合
(ⅲ) 当該国際予備審査機関が、国際出願の形式又は内容に条約又はこの規則に定める欠陥があると認めた場合
(ⅳ) 当該国際予備審査機関が、補正が出願時における国際出願の開示の範囲を超えてされたものと認めた場合
(ⅴ) 当該国際予備審査機関が、請求の範囲、明細書及び図面の明瞭性又は請求の範囲が明細書により十分な裏付けをされているかいないかの問題についての意見を国際予備審査報告に付することを希望した場合(ⅵ) 当該国際予備審査機関が、請求の範囲が国際調査報告の作成されていない発明に関するものであると認め、かつ、その請求の範囲について国際予備審査を行わないことを決定した場合
(ⅶ) 国際予備審査機関が、有意義な国際予備審査を行うことができる形式でヌクレオチド又はアミノ酸の配列リストを入手することができないと認めた場合
国際予備審査機関として行動する国内官庁に係る国の国内法令が、多数従属請求の範囲を6.4(a)の第二文及び第三文の請求の範囲の記述方法と異なる方法で起草することを認めない場合において、6.4(a)の当該請求の範囲の記述方法が用いられないときは、国際予備審査機関は、第三十四条(4)(b)の規定を適用することができる。この場合においては、当該国際予備審査機関は、出願人にその旨を書面で通知する。
(b) (a)の通知には、国際予備審査機関の見解の根拠を十分に記述する。
(c) (a)の通知においては、答弁書及び、適当な場合には、補正書を提出することを出願人に求める。・・・省略・・・
特許協力条約に基づく規則 (wipo.int)
少し長いですが、欠陥等があった場合は、書面で通知され、その書面に対しては、答弁書や補正書で対応できることが規定されていますよね!
ということで、答え×
3 国際予備審査機関は、国際出願の形式又は内容に特許協力条約又は規則に定める欠陥があると認めた場合、出願人にその旨を書面で通知し、この通知において、補正書を提出することを出願人に求めることがあるが、答弁書を提出することを出願人に求めることはない。
答え×
理由:欠陥等があった場合は、書面で通知され、その書面に対しては、答弁書や補正書で対応できるため(∵PCT規則66.2)
4
4 出願人は、国際予備審査機関と書面で連絡する権利を有するのみならず、口頭で国際予備審査機関と連絡する権利をも有する。
これは○じゃない?
だって、普通に電話とかで連絡することもあるだろうし
私も細かいところまでは押さえられて無く、
多分○かな~と思って調べてみました!
だって、電話とかで問い合わせするもんね!
第三十四条
国際予備審査機関における手続(2)(a) 出願人は、国際予備審査機関と口頭及び書面で連絡する権利を有する
特許協力条約 PCT Treaty (Japanese) (wipo.int)
これだね!
特許協力条約34条(2)(a)に記載あるね!
と言うことで、答え○
4 出願人は、国際予備審査機関と書面で連絡する権利を有するのみならず、口頭で国際予備審査機関と連絡する権利をも有する。
答え○
理由:特許協力条約34条(2)(a)通り
5
5 国際予備審査報告には、請求の範囲に記載されている発明がいずれかの国内法令により特許を受けることができる発明であるかどうか又は特許を受けることができる発明であると思われるかどうかの問題についてのいかなる陳述をも記載してはならない
「いかなる」ってところが気になるんだけど・・・
どうだったっけ??
いかなるとあるので、なんか例外ない?って思っちゃいそうなんですが・・・
これは答え○なんですね。
PCTを見てみましょう!
第三十五条
国際予備審査報告(2) 国際予備審査報告には、請求の範囲に記載されている発明がいずれかの国内法令により特許を受けることができる発明であるかどうか又は特許を受けることができる発明であると思われるかどうかの問題についてのいかなる陳述をも記載してはならない。国際予備審査報告には、(3)の規定が適用される場合を除くほか、請求の範囲が国際予備審査に当たつての第三十三条(1)から(4)までに規定する新規性、進歩性(自明のものではないこと)及び産業上の利用可能性の基準に適合していると認められるかどうかを各請求の範囲について記述する。その記述には、その記述の結論を裏付けると認められる文献を列記するものとし、場合により必要な説明
特許協力条約 PCT Treaty (Japanese) (wipo.int)
を付する。また、その記述には、規則に定める他の意見を付す
各国の国内法令で決めていくので、不確かなことは書くなってことでしょうね!
なので、答え○
5 国際予備審査報告には、請求の範囲に記載されている発明がいずれかの国内法令により特許を受けることができる発明であるかどうか又は特許を受けることができる発明であると思われるかどうかの問題についてのいかなる陳述をも記載してはならない
答え○
理由:特許協力条約35条(2)通り
まとめ(R05短答・条約4)
【条約】4
特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
1 国際予備審査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が、動物の体の診断方法である場合でも、当該国際出願の全部又は一部について国際予備審査を行うことができる。
2 特許協力条約第 31 条(2)(b)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、総会は、いずれかの国内官庁にされた国際出願について管轄する国際予備審査機関を特定するに当たり、当該国内官庁が国際予備審査機関である場合には当該国内官庁を優先させ、当該国内官庁が国際予備審査機関でない場合には当該国内官庁が推薦する国際予備審査機関を優先させる。
3 国際予備審査機関は、国際出願の形式又は内容に特許協力条約又は規則に定める欠陥があると認めた場合、出願人にその旨を書面で通知し、この通知において、補正書を提出することを出願人に求めることがあるが、答弁書を提出することを出願人に求めることはない。
4 出願人は、国際予備審査機関と書面で連絡する権利を有するのみならず、口頭で国際予備審査機関と連絡する権利をも有する。
5 国際予備審査報告には、請求の範囲に記載されている発明がいずれかの国内法令により特許を受けることができる発明であるかどうか又は特許を受けることができる発明であると思われるかどうかの問題についてのいかなる陳述をも記載してはならない
答え:3
理由:3のみ×。その他○
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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