弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】9に行きます^^
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【条約】9
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集【条約】9
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定について述べた文章である。①~④の空欄に語句を入れたとき、空欄番号と語句の組合せとして、最も適切なものは、どれか。
加盟国は、( ① )により、繊維の意匠の保護を確保するための要件が、保護を求め又は取得する機会を不当に害しないことを確保する義務を履行することができる。加盟国は、( ② )によって植物の品種の保護を定めなければならない。
加盟国は、( ③ )が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続を採用しなければならない。
( ④ )が用いられている物品に関して、当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において、正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく期間が満了したとき、当該物品の所有者、輸入者又は荷受人は、侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。
1 ①意匠法又は著作権法
②特許
③不正商標商品又は意匠権侵害物品
④商標又は意匠
2 ①意匠法又は特許法
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
③不正商標商品又は意匠権侵害物品
④意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報
3 ①意匠法又は著作権法
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
③不正商標商品又は著作権侵害物品
④意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報
4 ①意匠法又は特許法
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
③不正商標商品又は著作権侵害物品
④商標又は意匠question.pdf (jpo.go.jp)
5 ①意匠法又は著作権法
②特許
③不正商標商品又は著作権侵害物品
④商標又は意匠
TRIPS協定に関する出題だね!!
えー、解けるかなあ・・・
国内法の理解で解ける問題もありますので、しっかり紐解いて行きましょう!
①
加盟国は、( ① )により、繊維の意匠の保護を確保するための要件が、保護を求め又は取得する機会を不当に害しないことを確保する義務を履行することができる。
①意匠法又は著作権法
①意匠法又は特許法
よくよく見たら、答えから、意匠法は絶対で、選択するのは、著作権法 OR 特許法の2択だよね!
そうそう!2択!
穴埋め問題はソレが有り難いですよね!
・・・で、TRIPS協定ってパリとかとどう違うんだったっっけ??
まずは、TRIPS協定の大枠から理解しましょう!
パリ条約やベルヌ条約では、知的財産の保護を定めているだけで、権利行使について規定している条約はなく、TRIPS協定が成立しました。
TRIPS協定は、加盟国の国内制度について直接規定するものであり、パリ条約等とは性格が大きく異なると言われています。
設問に戻りまして、「意匠法」は国毎に異なるんでしたよね!!
大きくは、パテントアプローチで作られた国と、コピーライトアプローチで作られた国があるんでしたよね!
ということで・・・
答えは、①意匠法又は著作権法
条文でも確認してみましょう!
第25条 保護の要件
(2) 加盟国は,繊維の意匠の保護を確保するための要件,特に,費用,審査又は公告に関する要件が保護を求め又は取得する機会を不当に害さないことを確保する。加盟国は,意匠法又は著作権法によりそのような義務を履行することができる。
TRIPS協定 3 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
加盟国は、( ① )により、繊維の意匠の保護を確保するための要件が、保護を求め又は取得する機会を不当に害しないことを確保する義務を履行することができる。
答え:①意匠法又は著作権法
理由:TRIPS協定 第25条(2)
②
加盟国は、( ② )によって植物の品種の保護を定めなければならない。
②特許
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
これも2択だね!
コレは植物特許のことかな・・・?
そうそう!
我が国では、特許法や種苗法で保護されているよね!
というところから、考えると、
答えは、②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
条文はこれかな!?
第27条 特許の対象
(3) 加盟国は,また,次のものを特許の対象から除外することができる。
(a) 人又は動物の治療のための診断方法,治療方法及び外科的方法
(b) 微生物以外の動植物並びに非生物学的方法及び微生物学的方法以外の動植物の生産のための本質的に生物学的な方法。ただし,加盟国は,特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せによって植物の品種の保護を定める。この(b)の規定は,世界貿易機関協定の効力発生の日から4年後に検討されるものとする。
TRIPS協定 3 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
加盟国は、( ② )によって植物の品種の保護を定めなければならない。
答え:②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
理由:TRIPS協定 第27条(3) (b)
③
加盟国は、( ③ )が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続を採用しなければならない。
③不正商標商品又は意匠権侵害物品
③不正商標商品又は著作権侵害物品
不正商標商品は、絶対入るんだね!
あと、意匠権侵害物品か、著作権侵害物品か・・・
難しいですよね・・・
答えは・・・
条文によると、「著作権侵害物品」。確かに、税関で物を止めるのに、意匠権侵害物品の方がなんだか判断難しそうで、著作権侵害物品の方が各国判断が簡単そう・・・と覚えておくしかないよね。
第51条 税関当局による物品の解放の停止
加盟国は,この節の規定に従い,不正商標商品又は著作権侵害物品(注1)が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が,これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう,行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続(注2)を採用する。加盟国は,この節の要件を満たす場合には,知的所有権のその他の侵害を伴う物品に関してこのような申立てを可能とすることができる。加盟国は,自国の領域から輸出されようとしている侵害物品の税関当局による解放の停止についても同様の手続を定めることができる。
(注1)
この協定の適用上,
(a) 「不正商標商品」とは,ある商品について有効に登録されている商標と同一であり又はその基本的側面において当該商標と識別できない商標を許諾なしに付した,当該商品と同一の商品(包装を含む。)であって,輸入国の法令上,商標権者の権利を侵害するものをいう。
(b) 「著作権侵害物品」とは,ある国において,権利者又は権利者から正当に許諾を受けた者の承諾を得ないである物品から直接又は間接に作成された複製物であって,当該物品の複製物の作成が,輸入国において行われたとしたならば,当該輸入国の法令上,著作権又は関連する権利の侵害となったであろうものをいう。
TRIPS協定 4 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
加盟国は、( ③ )が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続を採用しなければならない。
答え:③不正商標商品又は著作権侵害物品
理由:TRIPS協定 第51条
④
( ④ )が用いられている物品に関して、当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において、正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく期間が満了したとき、当該物品の所有者、輸入者又は荷受人は、侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。
④意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報
④商標又は意匠
ええー、分かんないよ~
税関で差し押さえられても、お金払えば解放してもらえるってことだね!
問題は、コレ↑がどれに適用されるかってことなんだけど・・・
意匠,特許,回路配置又は開示されていない情報なんだね!
根拠条文はこちら↓
第53条 担保又は同等の保証
(1) 権限のある当局は,申立人に対し,被申立人及び権限のある当局を保護し並びに濫用を防止するために十分な担保又は同等の保証を提供するよう要求する権限を有する。担保又は同等の保証は,手続の利用を不当に妨げるものであってはならない。
(2) 意匠,特許,回路配置又は開示されていない情報が用いられている物品に関して,この節の規定に基づく申立てに伴い,当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において,第55条に規定する正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく同条に規定する期間が満了したときは,当該物品の所有者,輸入者又は荷受人は,侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。ただし,輸入のための他のすべての条件が満たされている場合に限る。当該担保の提供により,当該権利者が利用し得る他の救済措置が害されてはならず,また,権利者が合理的な期間内に訴えを提起する権利を行使しない場合には,担保が解除されることを了解する。
TRIPS協定 4 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
( ④ )が用いられている物品に関して、当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において、正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく期間が満了したとき、当該物品の所有者、輸入者又は荷受人は、侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。
答え:④意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報
理由:TRIPS協定 第53条(2)
まとめ(R05短答・条約9)
【条約】9
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定について述べた文章である。①~④の空欄に語句を入れたとき、空欄番号と語句の組合せとして、最も適切なものは、どれか。
加盟国は、( ① )により、繊維の意匠の保護を確保するための要件が、保護を求め又は取得する機会を不当に害しないことを確保する義務を履行することができる。
加盟国は、( ② )によって植物の品種の保護を定めなければならない。
加盟国は、( ③ )が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続を採用しなければならない。
( ④ )が用いられている物品に関して、当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において、正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく期間が満了したとき、当該物品の所有者、輸入者又は荷受人は、侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。
1 ①意匠法又は著作権法
②特許
③不正商標商品又は意匠権侵害物品
④商標又は意匠
2 ①意匠法又は特許法
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
③不正商標商品又は意匠権侵害物品
④意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報
3 ①意匠法又は著作権法
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
③不正商標商品又は著作権侵害物品
④意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報
4 ①意匠法又は特許法
②特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せ
③不正商標商品又は著作権侵害物品
④商標又は意匠
5 ①意匠法又は著作権法
②特許
③不正商標商品又は著作権侵害物品
④商標又は意匠
答え:3
理由:3のみ○
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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