弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】12

短答・令和5年度
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さかいろ
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では、次に短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】12を見ていきます!!

思ったより進まないのでくじけそうになってきました^^

短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】11はこちら↓

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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】12

令和5年度弁理士試験

短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集

【特許・実用新案】12
特許出願の分割・変更等に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。


(イ) 特許出願人は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内であればいつでも、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる


(ロ) 特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった場合、送達があった日から 30 日以内であれば、どのような場合でも2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる。


(ハ) 外国語書面出願の出願人は、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とする場合には、外国語書面出願による出願とすることができる。


(ニ) 実用新案権者は、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をする場合において、専用実施権者があるときは、その者から、その実用新案権の放棄についての承諾と、実用新案登録に基づく特許出願それ自体についての承諾を得る必要がある。


(ホ) 特許法には、仮専用実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮専用実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮専用実施権が設定されたものとみなす規定がある。また、特許法には、仮通常実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす規定がある。


1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし

question.pdf (jpo.go.jp)
さかいろ
さかいろ

正しいものはいくつあるか問題だね!!

(イ) 特許出願人は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内であればいつでも、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる

さかいろ
さかいろ

分割の基本的なことだよね!

分割について、復習!

  • 分割の客体的要件
    • 親出願が特許庁に係属(44条1項)
    • 親出願が2以上の発明を包含(44条1項)
  • 分割の時期的要件
    • 親出願が補正可能な時又は期間内(44条1項1号)
    • 特許査定謄本送達日から30日以内(44条1項2号)
    • 最初の拒絶査定謄本送達日から3ヶ月以内(44条1項3号)

なので、今回の設問では、補正可能な時又は期間内(44条1項1号)に、2以上の発明を包含する特許出願(44条1項)を分割出願するんだから、条文通りできるよね!!

そのため、答え○

(特許出願の分割)

第四十四条 特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。

 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内にするとき。

 特許をすべき旨の査定(第百六十三条第三項において準用する第五十一条の規定による特許をすべき旨の査定及び第百六十条第一項に規定する審査に付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達があつた日から三十日以内にするとき。

 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月以内にするとき。

特許法 | e-Gov法令検索

(イ) 特許出願人は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内であればいつでも、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる

答え○

理由:補正可能な時又は期間内(44条1項1号)に、2以上の発明を包含する特許出願(44条1項)を分割出願できるため。

(ロ) 特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった場合、送達があった日から 30 日以内であれば、どのような場合でも2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる。

さかいろ
さかいろ

これは、よく出題されることだよね!

実務でも大事なことだよね!!

これは、よく出題されるとこだよね!!特許査定謄本送達日から30日以内であっても、特許権の設定登録があった後は、分割出願できない!んだったよね。特許権が設定登録されると、もはや特許出願が審査に係属していないからだったよね。イでやったとおり、分割の客体要件が×になるんだよね。

実務においても、必ず分割出願不要であることを確認してから、特許権の設定登録時の年金を納付するようにしているよね!!

なので、答え×

(ロ) 特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった場合、送達があった日から 30 日以内であれば、どのような場合でも2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる。

答え×

理由:特許査定謄本送達日から30日以内であっても、特許権の設定登録があった後は、分割出願できない(∵特許権が設定登録されると、もはや特許出願が審査に係属していない)ため。

(ハ) 外国語書面出願の出願人は、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とする場合には、外国語書面出願による出願とすることができる。

さかいろ
さかいろ

外国語書面出願、36条の2だね!

第三十六条の二 特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書に代えて、同条第三項から第六項までの規定により明細書又は特許請求の範囲に記載すべきものとされる事項を経済産業省令で定める外国語で記載した書面及び必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条第七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。

特許法 | e-Gov法令検索
さかいろ
さかいろ

外国語書面出願についてちょっと復習!

外国語書面出願、36条の2

願書のみ日本語

・その他、明細書、特許請求の範囲、図面、要約は英語※そのままでOK

※「経済産業省令で定める外国語」=現在は外国語書面出願できるのは英語のね!

・翻訳文提出(出願の日から1年4月)により、翻訳文が36条2項の明細書・請求の範囲・要約・図面となる。

さかいろ
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もとの外国語書面出願(親)に2以上の発明を包含するなら、分割出願を外国語書面出願でするのはOKだよね!分割要件○だし。

実務でもたまにやるよね!

なので、答え○

(ハ) 外国語書面出願の出願人は、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とする場合には、外国語書面出願による出願とすることができる。

答え○

理由:分割要件○のため

(ニ) 実用新案権者は、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をする場合において、専用実施権者があるときは、その者から、その実用新案権の放棄についての承諾と、実用新案登録に基づく特許出願それ自体についての承諾を得る必要がある。

さかいろ
さかいろ

特実5の設問でも、実用新案登録に基づいて特許出願する設問があったよね!

重要な箇所なんだね!!

実用新案登録に基づく特許出願、46条の2について、ちょっと復習!!

  • 実用新案登録に基づく特許出願、46条の2
  • 趣旨
    • 実用新案登録出願に基づく特許出願46条の制度があるが、実質的な期間が短く(基本的に6ヶ月以内に実案登録されてしまうので、6ヶ月以内にしか変更できなかった)、実案制度の利用促進のために作られた制度。
  • 手続き的要件
    • 基礎となった実用新案権は放棄(46条の2第1項)
      • 第三者の監視負担の軽減、二重審査の排除のため
      • 実用新案権に専用実施権者等がいる場合、承諾が必要(実用新案法の26条で特許法97条1項を準用)
    • 実用新案権に専用実施権者等がいる場合、実用新案登録に基づく特許出願についても承諾が必要(46条の2第4項)
      • 実用新案権が放棄されてしまうという不利益行為のため

(実用新案登録に基づく特許出願)

第四十六条の二 実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。この場合においては、その実用新案権を放棄しなければならない。

・・・省略・・・

 実用新案権者は、専用実施権者、質権者又は実用新案法第十一条第三項において準用するこの法律第三十五条第一項、実用新案法第十八条第三項において準用するこの法律第七十七条第四項若しくは実用新案法第十九条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、第一項の規定による特許出願をすることができる

特許法 | e-Gov法令検索

実用新案法の26条で特許法97条1項を準用。

(特許権等の放棄)

第九十七条 特許権者は、専用実施権者又は質権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。

特許法 | e-Gov法令検索

なので、専用実施権者からも承諾必要だし、実案登録に基づく特許出願についても承諾必要だし、答え○だよね!

(ニ) 実用新案権者は、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をする場合において、専用実施権者があるときは、その者から、その実用新案権の放棄についての承諾と、実用新案登録に基づく特許出願それ自体についての承諾を得る必要がある。

答え○

理由:実用新案権に専用実施権者がいる場合、専用実施権者承諾が必要(実用新案法26条で特許法97条1項を準用)。実用新案登録に基づく特許出願についても、専用実施権者承諾が必要(46条の2第4項)

(ホ) 特許法には、仮専用実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮専用実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮専用実施権が設定されたものとみなす規定がある。また、特許法には、仮通常実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす規定がある。

さかいろ
さかいろ

条文そのままだよね

分割の親出願に、仮専や仮通がいる場合の取り扱いだよね!

仮専は34条の2第5項、仮通は34条の3第6項だね!

(仮専用実施権)

第三十四条の二 許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、仮専用実施権を設定することができる。

 仮専用実施権に係る特許出願について、第四十四条第一項の規定による特許出願の分割があつたときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮専用実施権が設定されたものとみなす。ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

特許法 | e-Gov法令検索

(仮通常実施権)

第三十四条の三 特許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、他人に仮通常実施権を許諾することができる。

 仮通常実施権に係る特許出願について、第四十四条第一項の規定による特許出願の分割があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす。ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

特許法 | e-Gov法令検索

なので答え○

(ホ) 特許法には、仮専用実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮専用実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮専用実施権が設定されたものとみなす規定がある。また、特許法には、仮通常実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす規定がある。

答え○

理由:条文ほぼそのまま。仮専は34条の2第5項、仮通は34条の3第6項

まとめ(R05短答・特実12)

【特許・実用新案】12
特許出願の分割・変更等に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。


(イ) 特許出願人は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内であればいつでも、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる


(ロ) 特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった場合、送達があった日から 30 日以内であれば、どのような場合でも2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とすることができる。


(ハ) 外国語書面出願の出願人は、2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して新たな特許出願とする場合には、外国語書面出願による出願とすることができる。


(ニ) 実用新案権者は、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をする場合において、専用実施権者があるときは、その者から、その実用新案権の放棄についての承諾と、実用新案登録に基づく特許出願それ自体についての承諾を得る必要がある。


(ホ) 特許法には、仮専用実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮専用実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮専用実施権が設定されたものとみなす規定がある。また、特許法には、仮通常実施権に係る特許出願について特許出願の分割があったときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為に別段の定めがあるときを除き、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす規定がある。


1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし

答え4

理由:ロのみ×。その他○のため

ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。

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