では、次に短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】14を見ていきます!!
短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】13はこちら↓
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】14
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集
【特許・実用新案】14
特許異議の申立てに関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者がいる場合、特許庁長官は、特許異議の申立てについての決定があったときに、当該申請を拒否された者に当該決定の謄本を送達しなければならない。
2 審判長は、特許異議の申立てがあったとき、当該特許権についての専用実施権者にはその旨を通知しなければならないが、当該特許権についての質権者にはかかる通知をしなくてもよい場合がある。
3 同一の特許権に係る2以上の特許異議の申立てについて、その審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることはできない。
4 不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものについては、決定により却下することができるが、この決定による却下に対しては不服を申し立てることができる場合がある。question.pdf (jpo.go.jp)
5 特許異議の申立てについての審理においては、審判官の合議体は、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理しなければならない。
正しいものは、どれか問題だね。
どれか1つ絶対正しいやつ選べば良いだけだから、ホッとするよね。
1
1 特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者がいる場合、特許庁長官は、特許異議の申立てについての決定があったときに、当該申請を拒否された者に当該決定の謄本を送達しなければならない。
これは答え○だよね!
条文126条の6第2項にほぼそのまま記載あり。
私の覚え方は、
参加を申請して拒否された者であっても、審決取消訴訟(異議申立なので正確には決定取消訴訟)の主体となりえるから(178条2項)、やはり謄本送達は必要だよね、と覚えております^^
(決定の方式)
第百二十条の六 特許異議の申立てについての決定は、次に掲げる事項を記載した文書をもつて行わなければならない。
一 特許異議申立事件の番号
二 特許権者、特許異議申立人及び参加人並びに代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
三 決定に係る特許の表示
四 決定の結論及び理由
五 決定の年月日
2 特許庁長官は、決定があつたときは、決定の謄本を特許権者、特許異議申立人、参加人及び特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者に送達しなければならない。
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ちなみん、審決取消訴訟の主体に関する条文はこちら。
(審決等に対する訴え)
第百七十八条 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
特許法 | e-Gov法令検索
1 特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者がいる場合、特許庁長官は、特許異議の申立てについての決定があったときに、当該申請を拒否された者に当該決定の謄本を送達しなければならない。
答え○
理由:126条の6第2項にほぼそのまま記載あり
2
2 審判長は、特許異議の申立てがあったとき、当該特許権についての専用実施権者にはその旨を通知しなければならないが、当該特許権についての質権者にはかかる通知をしなくてもよい場合がある。
これはちょっとよく分からないので調べました。
・・・の場合がある・・・とかって語尾だと、なんとなく答え○かな~ってなるよね^^
まず、異議申立があったときに特許権者以外の誰に通知するのかってことだけど、
115条4項で準用する123条4項により、「当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者」に通知することが決められています!
(申立ての方式等)
第百十五条
4 第百二十三条第四項の規定は、特許異議の申立てがあつた場合に準用する。
(特許無効審判)
第百二十三条
4 審判長は、特許無効審判の請求があつたときは、その旨を当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。
特許法 | e-Gov法令検索
そして、「当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者」とは??とくに、その他その特許に関し登録した権利を有する者に質権者が含まれるのか??ですが・・・
98条1項3号により、質権は登録が効力発生要件となっていますので、登録されています!
(登録の効果)
第九十八条 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。
一 特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限
二 専用実施権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
特許法 | e-Gov法令検索
なので、質権者に通知しないで良い場合もあるというところが×。
2 審判長は、特許異議の申立てがあったとき、当該特許権についての専用実施権者にはその旨を通知しなければならないが、当該特許権についての質権者にはかかる通知をしなくてもよい場合がある。
答え×
理由:「質権者にはかかる通知をしなくてもよい場合がある。」が×。質権者は登録されているため(98条1項3号)、115条4項で準用する123条4項により、「当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者(=質権者も含む)」に通知することが決められているため
3
3 同一の特許権に係る2以上の特許異議の申立てについて、その審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることはできない。
これは分離できそうな気がするんだけど・・・
感覚ではダメなので、条文でちゃんと調べました!!
これだね!
120条の3第1項、2項
(申立ての併合又は分離)
第百二十条の三 同一の特許権に係る二以上の特許異議の申立てについては、その審理は、特別の事情がある場合を除き、併合するものとする。
2 前項の規定により審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることができる。
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ポイントチェック!!
異議申立の併合OR分離
複数の申立された場合・・・特別事情のぞき、原則併合される!∵120条の3第1項
★★★無効審判の併合のように審判官の裁量によるものとは違う。154条1項チェック!語尾をチェック!!★★★
併合された場合・・・その審理を分離できる!∵120条の3第2項
★★★無効審判も同じ★★★
なので、答え×
ちなみに無効審判の時の併合審理の条文はこちら。
無効審判の併合審理は、語尾が、・・・できるになっているよね。異議申立の併合審理は「するものとする」なので、その違いをチェック!!
(審理の併合又は分離)
第百五十四条 当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。
2 前項の規定により審理の併合をしたときは、さらにその審理の分離をすることができる。
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3 同一の特許権に係る2以上の特許異議の申立てについて、その審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることはできない。
答え×
理由:「分離をすることはできない。」が×。複数の申立された場合は、特別事情のぞき、原則併合され(∵120条の3第1項)、併合された場合、その審理を分離できる(∵120条の3第2項)ため
4
4 不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものについては、決定により却下することができるが、この決定による却下に対しては不服を申し立てることができる場合がある。
決定却下とか、審決却下とか・・・このあたり苦手なままなんだよね・・・
なのでポイントだけまとめます!
不適法な特許異議申立の却下決定(準用135条)に対しては、不服申立できない(120条の8第2項)
不適法な特許異議申立書の却下決定(準用133条)に対しては、不服申立できる(178条1項)
(審判の規定等の準用)
第百二十条の八 第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条、第百五十二条、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで及び第百七十条の規定は、特許異議の申立てについての審理及び決定に準用する。
2 第百十四条第五項の規定は、前項において準用する第百三十五条の規定による決定に準用する。
(決定)
第百十四条 特許異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。
2 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号のいずれかに該当すると認めるときは、その特許を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。
3 取消決定が確定したときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
4 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号のいずれかに該当すると認めないときは、その特許を維持すべき旨の決定をしなければならない。
5 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
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(不適法な審判請求の審決による却下)
第百三十五条 不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。
(審決等に対する訴え)
第百七十八条 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
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なので答え×
4 不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものについては、決定により却下することができるが、この決定による却下に対しては不服を申し立てることができる場合がある。
答え×
理由:「不服を申し立てることができる場合がある。」が×。不適法な特許異議申立の却下決定(準用135条)に対しては、不服申立できない(120条の8第2項)ため
5
5 特許異議の申立てについての審理においては、審判官の合議体は、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理しなければならない。
異議申立は、職権主義だし、「しなければならない」が言い過ぎな気がするよね!
早速条文で確認!!
(職権による審理)
第百二十条の二 特許異議の申立てについての審理においては、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
2 特許異議の申立てについての審理においては、特許異議の申立てがされていない請求項については、審理することができない。
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120条の2第1項に審理することが「できる」と記載あり。「しなければならない」が×。
5 特許異議の申立てについての審理においては、審判官の合議体は、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理しなければならない。
答え×
理由:120条の2第1項に審理することが「できる」と記載あり。「しなければならない」が×。
まとめ(R05短答・特実14)
【特許・実用新案】14
特許異議の申立てに関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者がいる場合、特許庁長官は、特許異議の申立てについての決定があったときに、当該申請を拒否された者に当該決定の謄本を送達しなければならない。
2 審判長は、特許異議の申立てがあったとき、当該特許権についての専用実施権者にはその旨を通知しなければならないが、当該特許権についての質権者にはかかる通知をしなくてもよい場合がある。
3 同一の特許権に係る2以上の特許異議の申立てについて、その審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることはできない。
4 不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものについては、決定により却下することができるが、この決定による却下に対しては不服を申し立てることができる場合がある。
5 特許異議の申立てについての審理においては、審判官の合議体は、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理しなければならない。
答え1
理由:1のみ○。その他×のため
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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