弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】8

短答・令和5年度
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さかいろ
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では、次に短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】8を見ていきます!!

短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】1~7はこちら↓

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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】8

令和5年度弁理士試験

短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集

【特許・実用新案】8
特許法に規定する拒絶査定不服審判又は特許法第 162 条に規定する審査(いわゆる前置審査)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。


1 審査において、特許法第 29 条第2項(いわゆる進歩性)の規定による拒絶をすべき旨の査定がされ、その後の前置審査において、審査官は査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した。この場合、審査官は上記の異なる拒絶の理由を出願人に通知することなく、その審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。


2 審査官は、前置審査において、拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の審決をしなければならず、当該審決において、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。


3 審判官は、拒絶査定不服審判の請求と同時にされた願書に添付した特許請求の範囲の補正について、当該補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、当該補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第 37 条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとならないと特許をすべき旨の審決の謄本の送達前に認めた場合、決定をもってその補正を却下しなければならない。


4 特許法第 50 条の2(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)の規定は、前置審査には準用されない。


5 拒絶査定不服審判の請求後に拒絶理由の通知を受けた場合、特許請求の範囲についてする補正には、特許法第 17 条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるという補正の制限が課されることはない。

question.pdf (jpo.go.jp)
さかいろ
さかいろ

正しいものはどれか問題!だね。

なんだか、いくつある問題かよりもぐんと安心するね!!

1

1 審査において、特許法第 29 条第2項(いわゆる進歩性)の規定による拒絶をすべき旨の査定がされ、その後の前置審査において、審査官は査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した。この場合、審査官は上記の異なる拒絶の理由を出願人に通知することなく、その審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。

さかいろ
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また前置審査の問題だね!!

特実1に引き続き、2問目の出題!

重要度★★★、高め!

前置審査と言えば、有名なのがこのフロー図の図3.どこの参考書やレジメにも載っているよね。

↓これをちゃんと理解できているかってことなんだけど・・・ややこしいんだよね、フローが。

さかいろ
さかいろ

図3のフロー図の流れで確認すると・・・

どのフローをたどってくるかは、詳細不明なので分からないけど、結局結論は2つ

①原査定を取り消し、特許査定するか

②前置報告するか(例えば、他に拒絶理由を発見した場合は、その理由とか)

今回の場合は、他の理由を発見しているので、②の前置報告の方だね。

さかいろ
さかいろ

他に拒絶理由を発見した場合は、出願人に理由を通知+長官報告!

なので、答え×

1 審査において、特許法第 29 条第2項(いわゆる進歩性)の規定による拒絶をすべき旨の査定がされ、その後の前置審査において、審査官は査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した。この場合、審査官は上記の異なる拒絶の理由を出願人に通知することなく、その審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。

答え×

理由:審査官は上記の異なる拒絶の理由を出願人に通知する必要ありのため。

2

2 審査官は、前置審査において、拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の審決をしなければならず、当該審決において、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。

さかいろ
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拒絶理由を発見しないときは・・・・

さっきのフロー図のとおり、

原査定を取り消し特許査定だったよね。

∵164条1項

第百六十四条 審査官は、第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。

特許法 | e-Gov法令検索

なんとなーくあってそうな雰囲気の文なのですが・・・注目!!

「特許をすべき旨の審決」って書いてますよね!

前置審査なので、あくまでまだ審査段階なのに「審決」はおかしいですよね。

なので、ここが×

2 審査官は、前置審査において、拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の審決をしなければならず、当該審決において、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。

答え×

理由:「特許をすべき旨の審決」ではなく、「査定」が正しいため。∵164条1項

3

3 審判官は、拒絶査定不服審判の請求と同時にされた願書に添付した特許請求の範囲の補正について、当該補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、当該補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第 37 条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとならないと特許をすべき旨の審決の謄本の送達前に認めた場合、決定をもってその補正を却下しなければならない。

さかいろ
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長いので読みにくいのですが・・・

拒絶査定不服審判で、審判請求と同時にした補正が、シフト補正違反だったとき、補正は却下されるのか?

ってことだったけど・・・

第百五十九条 第五十三条の規定は、拒絶査定不服審判に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第一号又は第三号」とあるのは「第十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第一号又は第三号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。

特許法 | e-Gov法令検索

(補正の却下)

第五十三条 第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて第五十条の二の規定による通知をした場合に限る。)において、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が第十七条の二第三項から第六項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。

特許法 | e-Gov法令検索

審判においても、補正要件(=シフト補正も!)が審理され、補正要件に違反していたら、補正却下されるんだったよね!!

∵159条1項、53条1項

なので、答え○

3 審判官は、拒絶査定不服審判の請求と同時にされた願書に添付した特許請求の範囲の補正について、当該補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、当該補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第 37 条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとならないと特許をすべき旨の審決の謄本の送達前に認めた場合、決定をもってその補正を却下しなければならない。

答え○

理由:∵159条1項、53条1項

4

4 特許法第 50 条の2(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)の規定は、前置審査には準用されない。

さかいろ
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163条を見てみると、50条の2は準用されているよね!

なので、答え×

第百六十三条 

 第五十条及び第五十条の二の規定は、前条の規定による審査において審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第十七条の二第一項第一号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第三号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第四号に掲げる場合」と読み替えるものとする。

特許法 | e-Gov法令検索

(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)

第五十条の二 審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)についての前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

特許法 | e-Gov法令検索

4 特許法第 50 条の2(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)の規定は、前置審査には準用されない。

答え×

理由:163条を見てみると、50条の2は準用されているため

5

5 拒絶査定不服審判の請求後に拒絶理由の通知を受けた場合、特許請求の範囲についてする補正には、特許法第 17 条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるという補正の制限が課されることはない。

さかいろ
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これはどうかなーーー

根拠条文が分からなかったので、特許庁HPで調べてみたところ・・・「拒絶査定不服審判Q&A」というのでヒットしたのでそれを引用させていただきます。

Q2-6:特許の拒絶査定不服審判請求後に受けた拒絶理由通知に対し、補正をするときは特許法第17条の2第5項の制限を受けませんか。

A2-6:審判は審査の続審なので、拒絶理由通知が「最初」又は「最後」に当たるかは、審査段階の手続を考慮のうえ判断されます。このため、拒絶査定不服審判請求後に最初になされた拒絶理由通知であっても、審査段階でなされた最初の拒絶理由通知に対する補正によって必要になったもののみを通知するときには、最後の拒絶理由通知となります。このときの補正は審判請求時の補正と同様に特許法第17条の2第5項各号の制限を受けます。(審判便覧 61-05 の5.)

01.pdf (jpo.go.jp)

ということで、審判は続審なので、審査課程での拒絶理由通知によるみたいです!なので、制限を受けることはない!と言い切っている設問は×。制限を受けるかもしれないし、受けないかもしれない。が正解ですよね。

(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)

第十七条の二 

 前二項に規定するもののほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

 第三十六条第五項に規定する請求項の削除

 特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)

 誤記の訂正

 明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)

特許法 | e-Gov法令検索

5 拒絶査定不服審判の請求後に拒絶理由の通知を受けた場合、特許請求の範囲についてする補正には、特許法第 17 条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるという補正の制限が課されることはない。

答え×

理由:「課されることはない」が×。審判は続審主義なので、最初になるか最後になるか拒絶理由次第。

まとめ(R05短答・特実8)

【特許・実用新案】8
特許法に規定する拒絶査定不服審判又は特許法第 162 条に規定する審査(いわゆる前置審査)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。


1 審査において、特許法第 29 条第2項(いわゆる進歩性)の規定による拒絶をすべき旨の査定がされ、その後の前置審査において、審査官は査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した。この場合、審査官は上記の異なる拒絶の理由を出願人に通知することなく、その審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。


2 審査官は、前置審査において、拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の審決をしなければならず、当該審決において、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。


3 審判官は、拒絶査定不服審判の請求と同時にされた願書に添付した特許請求の範囲の補正について、当該補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、当該補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第 37 条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとならないと特許をすべき旨の審決の謄本の送達前に認めた場合、決定をもってその補正を却下しなければならない。


4 特許法第 50 条の2(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)の規定は、前置審査には準用されない。


5 拒絶査定不服審判の請求後に拒絶理由の通知を受けた場合、特許請求の範囲についてする補正には、特許法第 17 条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるという補正の制限が課されることはない。

答え:3

理由:3のみ○。その他×のため

ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。

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