では、次に短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】9を見ていきます!!
短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】1~8はこちら↓
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弁理士試験 短答 過去問 令和5年度【特許・実用新案】9
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集
【特許・実用新案】9
出願についての優先権に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものの組合せは、どれか。
(イ) 特許出願Bを先の出願として国内優先権の主張を伴う特許出願Aをした場合、優先権の主張の基礎とされた特許出願Bは特許出願Bの出願の日から所定の期間を経過した時に取り下げられたものとみなされる。ただし、特許出願Aの出願の際に、先の特許出願Bが、放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、先の特許出願Bについて査定若しくは審決が確定している場合又は先の特許出願Bに基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、取り下げられたものとはみなされない。
(ロ) 特許を受けようとする者が、その国際特許出願に係る発明について、その者が特許を受ける権利を有する特許出願であって先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあっては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができるのは、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その国際特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限られる。
(ハ) 国内優先権の主張を伴う特許出願の出願人がその優先権の主張を取り下げることができる期間は、優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願であるか否かにかかわらず、経済産業省令で定める期間に限られる。
(ニ) 国内優先権の主張の基礎とされた先の出願について、出願審査の請求をすることができる場合がある。
(ホ) 特許出願をする場合において、世界貿易機関の加盟国においてした出願に基づく優先権は、日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第3条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)のみが主張することができる。question.pdf (jpo.go.jp)
1 (イ)と(ニ)
2 (ロ)と(ホ)
3 (イ)と(ハ)
4 (ロ)と(ニ)
5 (ハ)と(ホ)
正しいものの組み合わせ!
早速見ていきましょう~
イ
(イ) 特許出願Bを先の出願として国内優先権の主張を伴う特許出願Aをした場合、優先権の主張の基礎とされた特許出願Bは特許出願Bの出願の日から所定の期間を経過した時に取り下げられたものとみなされる。ただし、特許出願Aの出願の際に、先の特許出願Bが、放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、先の特許出願Bについて査定若しくは審決が確定している場合又は先の特許出願Bに基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、取り下げられたものとはみなされない。
先の出願B→国内優先権主張→後の出願Aの流れですね!
先の出願Bは、経済産業省令で定める期間=1年4月経過後に取下げ擬制されるんだったよね!∵42条1項
ただし、そのときに例外があったよね!
今回は、この例外適用の条件についての質問!!
さっそく42条1項を見てみましょう!
(先の出願の取下げ等)
第四十二条 前条第一項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなす。ただし、当該先の出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、当該先の出願について査定若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合又は当該先の出願に基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。
特許法 | e-Gov法令検索
先の出願Bは、経済産業省令で定める期間=1年4月経過後に取下げ擬制。だけど、先の出願Bが、放棄、取下げ、却下、査定/審決確定、登録されている場合+先の特許出願Bに基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合は取下げ擬制されないんだったよね。このタイミングは後の出願Aの際だったよね。
特許庁に係属されているかがポイントだよね。
なので、答え○
(イ) 特許出願Bを先の出願として国内優先権の主張を伴う特許出願Aをした場合、優先権の主張の基礎とされた特許出願Bは特許出願Bの出願の日から所定の期間を経過した時に取り下げられたものとみなされる。ただし、特許出願Aの出願の際に、先の特許出願Bが、放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、先の特許出願Bについて査定若しくは審決が確定している場合又は先の特許出願Bに基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、取り下げられたものとはみなされない。
答え○
理由:42条1項ただし書き
ロ
(ロ) 特許を受けようとする者が、その国際特許出願に係る発明について、その者が特許を受ける権利を有する特許出願であって先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあっては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができるのは、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その国際特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限られる。
最後の部分「その国際特許出願の際に」が答え×だと思うんだけど・・・
ちょっとよく分からず・・・
普通に、先の出願→後の出願=普通の日本の出願なら、「先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、後の出願の際に、その承諾を得ている場合に限られる。」(先の出願取下げ擬制(∵42条2項)により、仮専に不利益が及ぶ為、承諾が必要だったよね。)∵41条1項ただし書きで○なんだけど、
今回は、先の出願→後の出願=国際特許出願ってパターンだよね。
国際段階で色々と手続きしていいのって?感じもするし、×だと思うのだけど・・・まだ根拠条文とかが探せていなくって。
分かり次第更新するということで^^
その後、きあさんから、184の15第1項で41条但し書きは適用しないからでは?とコメント頂きまして。
いつも的確なコメント、ありがとうございます!
確認しましたが、その通りだと思います。
すっかり忘れてしまっていて申し訳ないです・・・
条文を確認してみましょう!
(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第百八十四条の十五 国際特許出願については、第四十一条第一項ただし書及び第四項並びに第四十二条第二項の規定は、適用しない。
(特許出願等に基づく優先権主張)
第四十一条 特許を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その特許出願に係る発明について、その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限る。
特許法 | e-Gov法令検索
184の15第1項で、国際出願の時には41条1項但し書きを適用しないとなっていて、
41条1項但し書きには、先の出願で仮専がいるときは承諾必要となっています。
両方併せて、国際出願では、先の出願で仮専がいても承諾不要ということになります。
ということで、答え×
きあさん、ありがとうございます~
またお気づきの際は、コメントでも問い合わせでも何でも大丈夫なので、ご連絡お待ちしております!(すぐには返信できませんので気長にお待ち頂ければ幸いです)
(ロ) 特許を受けようとする者が、その国際特許出願に係る発明について、その者が特許を受ける権利を有する特許出願であって先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあっては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができるのは、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その国際特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限られる。
答え×
理由:先の出願で仮専がいても承諾不要(∵184の15第1項で41条1項但し書きを不適用)
ハ
(ハ) 国内優先権の主張を伴う特許出願の出願人がその優先権の主張を取り下げることができる期間は、優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願であるか否かにかかわらず、経済産業省令で定める期間に限られる。
優先権の主張を取り下げの期間だね
国内優先権の主張を伴う特許出願=後の出願のことだよね!
後の出願が普通の出願か、国際特許出願かで、優先権の主張を取り下げの期間が変わるかどうか・・・だけれども。
変わるよね!!
後の出願が普通の特許出願なら・・・・先の出願の日から経済産業省令で定める期間=1年4月を経過した後は、その主張を取り下げることができない。∵42条2項
(先の出願の取下げ等)
第四十二条
2 前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の出願人は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した後は、その主張を取り下げることができない。
特許法 | e-Gov法令検索
後の出願が国際特許出願なら・・・・42条2項は適用されず(∵184条の15)、優先日から30ヶ月以内であれば優先権主張の取下げができるんだよね!(PCT規90の2.3)
(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第百八十四条の十五 国際特許出願については、第四十一条第一項ただし書及び第四項並びに第四十二条第二項の規定は、適用しない。
特許法 | e-Gov法令検索
なので答え×
(ハ) 国内優先権の主張を伴う特許出願の出願人がその優先権の主張を取り下げることができる期間は、優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願であるか否かにかかわらず、経済産業省令で定める期間に限られる。
答え×
理由:優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願でない場合=普通の出願→先の出願の日から経済産業省令で定める期間=1年4月を経過した後は、その主張を取り下げることができない。∵42条2項
優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願である場合、42条2項は適用されず(∵184条の15)、優先日から30ヶ月以内であれば優先権主張の取下げができるため(PCT規90の2.3)
ニ
(ニ) 国内優先権の主張の基礎とされた先の出願について、出願審査の請求をすることができる場合がある。
これは、実務でやったことがあって・・・
できるよね!
先の出願は、先の出願日から1年4月経過後に取下げ擬制される(∵42条1項)なので、それまでに審査請求すれば、可能ではあるよね。
実際、実務で先の出願を早期審査かけて審査請求したという経験があったので、これは○だよね!
(ニ) 国内優先権の主張の基礎とされた先の出願について、出願審査の請求をすることができる場合がある。
答え○
ホ
(ホ) 特許出願をする場合において、世界貿易機関の加盟国においてした出願に基づく優先権は、日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第3条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)のみが主張することができる。
世界貿易機関=WTOの加盟国の国民も主張できるんじゃないかな・・・とおもうんだけれど。どうだろう・・・なので答え×と思うんだけど、自信なし。
きあさん、43の3?第1項 表2行目??とのコメントありがとうございます。
確認しました!
まず条文43条の3を確認しましょう!
第四十三条の三 次の表の上欄に掲げる者が同表の下欄に掲げる国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。
日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第三条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。次項において同じ。) 世界貿易機関の加盟国 世界貿易機関の加盟国の国民(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C第一条3に規定する加盟国の国民をいう。次項において同じ。) パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国 2 パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国(日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定するものに限る。以下この項において「特定国」という。)の国民がその特定国においてした出願に基づく優先権及び日本国民又はパリ条約の同盟国の国民若しくは世界貿易機関の加盟国の国民が特定国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。
3 前二条の規定は、前二項の規定により優先権を主張する場合に準用する。
特許法 | e-Gov法令検索
ちょっと条文↑だけだと、分かりにくい・・・
審査基準を参照↓
5.2 第 43 条の 3 に規定された、パリ条約の例による優先権
以下の(i)から(iv)までのいずれの優先権も、パリ条約の例により、その主張が認められる。
(i) 日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第 3 条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)が、世界貿易機関(WTO)の加盟国においてした出願に基づく優先権(第 43 条の 3 第 1 項)。
(ii) WTO 加盟国の国民が、パリ条約同盟国又は WTO 加盟国においてした出願に基づく優先権(第 43 条の 3 第 1 項)
(iii) パリ条約同盟国又は WTO 加盟国のいずれにも該当しない国であって、日本国と同一の条件により日本国民に対して優先権の主張を認めることとしており、かつ、特許庁長官が指定する国(以下この章において「特定国」という。)の国民がその特定国においてした出願に基づく優先権(第 43 条の3 第 2 項)
(iv) 日本国民又はパリ条約同盟国の国民若しくは WTO 加盟国の国民が特定国においてした出願に基づく優先権(第 43 条の 3 第 2 項)。これらの優先権の主張を伴う出願については、パリ条約による優先権の主張を伴う日本出願の場合と同様に、3.及び 4.に従って取り扱う。
05_0100bm.pdf (jpo.go.jp)
条文43条の3を分かりやすくまとめたのが、審査基準で、
審査基準によると、パリ条約の例による優先権主張は、
4パターンに分かれてて
(i) 日本国民又はパリ条約の同盟国の国民→WTO加盟国
(ii) WTO 加盟国の国民→パリ条約同盟国又は WTO 加盟国
(iii) 特定国の国民→特定国
(iv) 日本国民又はパリ条約同盟国の国民若しくは WTO 加盟国の国民→特定国
という場合にパリ条約の例による優先権主張ができるそう。
設問では、「世界貿易機関の加盟国においてした出願に基づく優先権は、日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第3条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)のみが主張」と書かれているのですが、WTO加盟国に主張できるのは、上記(i)+(ii)の通り、日本国民、パリ条約の同盟国の国民、WTO 加盟国の国民とあるので、「のみ」が×のため、答え×(と思う)
きあさん、ご指摘ありがとうございました!
おかげで理解が深まりました!
又お気づきの際はどうぞ宜しくお願い致します。
(ホ) 特許出願をする場合において、世界貿易機関の加盟国においてした出願に基づく優先権は、日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第3条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)のみが主張することができる。
答え×
理由:「のみ」が×。WTO 加盟国の国民も可能。(∵43条の3第1項)
まとめ(R05短答・特実9)
【特許・実用新案】9
出願についての優先権に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものの組合せは、どれか。
(イ) 特許出願Bを先の出願として国内優先権の主張を伴う特許出願Aをした場合、優先権の主張の基礎とされた特許出願Bは特許出願Bの出願の日から所定の期間を経過した時に取り下げられたものとみなされる。ただし、特許出願Aの出願の際に、先の特許出願Bが、放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、先の特許出願Bについて査定若しくは審決が確定している場合又は先の特許出願Bに基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、取り下げられたものとはみなされない。
(ロ) 特許を受けようとする者が、その国際特許出願に係る発明について、その者が特許を受ける権利を有する特許出願であって先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあっては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができるのは、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その国際特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限られる。
(ハ) 国内優先権の主張を伴う特許出願の出願人がその優先権の主張を取り下げることができる期間は、優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願であるか否かにかかわらず、経済産業省令で定める期間に限られる。
(ニ) 国内優先権の主張の基礎とされた先の出願について、出願審査の請求をすることができる場合がある。
(ホ) 特許出願をする場合において、世界貿易機関の加盟国においてした出願に基づく優先権は、日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第3条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)のみが主張することができる。
1 (イ)と(ニ)
2 (ロ)と(ホ)
3 (イ)と(ハ)
4 (ロ)と(ニ)
5 (ハ)と(ホ)
答え1
理由:イとニが○のため
ブログでの内容はあくまで管理人の個人的な解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。予め、ご了承くださいませ。間違い等気付かれた方はお問い合わせフォームからどうぞ宜しくお願い致します。
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